【沢旅in九州】23.8.10(中田)
【2023年8月11日~15日】
【メンバー】中田
台風7号が直撃しそうなのでお盆の計画はおじゃんに…
せっかくの長期休暇を楽しみたかったので、クライミングトリップならぬ沢旅に急遽予定を変更!
いきなり「九州行きませんかー?」とは言えずソロで…いえ!もうすぐ手放してしまう愛車と共に行ってきました!
8月11日(1本目) 鹿児島県鹿屋市 姶良川神野渓谷
天気:曇→雨
台風6号の影響で入渓地点へ向かう林道が崩壊
仕方がないので、少し下流の堰堤右岸より入渓(8:40)
南国らしい植生で、九州に来たことを実感!
案の定水量増し増し
花崗岩の沢だが、ヌメヌメなのでフェルトがおすすめ
本来の入渓地点である杖立の滝まで堰堤が連続するが、全て左岸から巻くことができる
杖立の滝は水量が多く、ダムの放水並みの迫力!
ナメ滝が続く癒しの沢なのに…少し残念
左岸のヌルヌルスラブから滝を越える。モウセンゴケっぽい植物が!癒しですね
滝を越えるとナメが続く渓相
一本松の滝と特攻の滝は水量が多すぎて登れないので林道から高巻き
小さな滝をちょこちょこ登り、堰堤を越えると2mの滝
滝の右側からシャワークライム
交差する林道を越えると小滝が連続する渓相に
沢が二股に分かれ、両方とも滝がある。左側6m滝を登る。
その後も小滝が連続
右岸にある苔むしたケルンと『鹿児島山岳会遡行』を目印に遡行終了(10:50)
尾根を越えた先の林道が分からずしばらくウロウロ
ヤマレコに頼って林道に出ることができた
1時間半ほど林道を歩いて堰堤に戻る
8月12日(2本目) 鹿児島県垂水市 本城川猿ヶ城渓谷
天気:晴れ
花崗岩の沢でラバーのフリクションが抜群!水も綺麗!
キャニオニングツアーが有名らしく、ペンキで矢印が書かれている
矢印通りに進むと歩きやすい
まだまだ水量が多い
鱒ヶ淵はとても泳げそうにないので左岸をへつる
一つ一つの岩が大きく歩いているだけでも楽しい
泳ぎを楽しめそうだが、水勢が強く水流に入るのをためらう
へつるか飛び込んで対岸へ渡る作戦で前進
はじらいの滝ははじらいを感じない水量
右岸から巻く
小さな滝だが正面突破は厳しそう
右岸から人工登攀する。2ピン目が遠くて手が届かないが、ボルトにスリングを投げて引っ掛け足場を作り、なんとかアブミが掛けれた。
せっかくアブミを掛けたが、乗っ越しがヌルヌルだったので諦めて降りる。
後半部のゴルジュに突入するが、水流に押し流されてしまう。
ここも右岸の巻道を使うが、ヌメヌメで高さもあり怖い。温泉が湧いていた
水量が多く、この先も遡行が難しそうなので終了し、巻道から林道を目指す。(12:05)
8月13日(3本目) 宮崎県延岡市 鹿川渓谷本流
天気:晴れ
前日に宮崎へ移動し、友達の家に泊めてもらう。
九州トップクラスの美渓と称される鹿納谷を予定していたが、林道が通行止めで断念。
せっかく来たのでどこか一本と思い、地形図的に面白くなさそうだったが、水が綺麗な鹿川渓谷に変更した。
準備をしている時にお会いした地元の沢ヤさんに情報を教えてもらう。
鹿川渓谷は過去にナメ滝の反転流で事故が発生しているそう
鹿川渓谷駐車場より入渓。(10:08)
いきなり巨石帯。水量は相変わらず多い。
しばらく歩くと2段のナメ滝(15m・10m) 右側から登る。
ナメを中心とした明るく開けた沢 天気も相まって気持ちの良い遡行
ナメの終わりは大きな釜を持つ滝(5m)右側から登る。
滝を越えるとまたまたナメが続く。
橋の手前で二股になる。左の沢へ進む。
振り返ると橋の下に蜂の巣があった。
2つ目の橋まで歩き遡行終了。(11:22)
遡行距離は短いが、ナメが続く癒しの沢だった。良い意味で期待を裏切られ大満足!
8月14日(4本目) 宮崎県延岡市 鉾岳谷
天気:晴れ
友達が2ヶ月ぶりの休日ということで、一緒に沢登りへ行くことに
友達は登山経験が少なく沢登りは初めてなので、楽しく綺麗で簡単そうな沢を探しました
鹿川キャンプ場テントサイトから入渓(10:20)
ここも花崗岩の沢でフリクションは抜群!
前半は歩きが多いが、小さな滝や釜がちょこちょこ出てくるので飽きない
岩の下に吸い込まれる釜がありヒヤッとする。近づかなければ影響はない
ロープを出すかもしれないので、簡単な滝でビレイを教えながら進む
友達は初ビレイだったが飲み込みが早く安心して任せることができた
後半部は釜を持つ滝が少なくなり、ひたすら岩を越えていく
2段の滑滝
1段目(30m) 歩いて登れる。
2段目(10m) ロープを出し、右岸側の泥が詰まったクラックから登れた。(キャメロット0.5〜3番)
滝から鉾岳が見える
初クライミングなのになんでクラック登れるの
滝を越えると沢は鉾岳スラブ下部を流れる
大きな一枚岩に感動!
鉾岳大滝 冬はアイスルート「蒼い幻」になるそう
映えスポット「パックン岩」で遡行終了。(13:50)
近くに綺麗な釜を持つ滝で遊んでから下山。
最後にお楽しみがあり、友達も楽しそうでよかった。
登山道脇に鉾岳スラブの取り付きがあった。
10ピッチあるそうな…いつか登りたいですね。
8月15日(5本目) 宮崎県延岡市 祝子川ゴルジュ
天気:晴れ
この沢に来たくて九州まで来た!と言えるぐらい楽しみだった祝子川!
人工登攀に30cmゴルジュとお楽しみ要素がいっぱい!
台風の影響で遡行できるか心配だったが、宮崎の山道具屋さん曰く3日で水量が戻るそう。
※ネットから祝子川の水量を確認できる。
この日は、佐野(祝子川)0.66m 祝子(祝子川)1.99m
少し戻り、右岸のスラブを人工で巻く。
ハンガーボルト(3本)が打たれており、安心して登れる。
ソロだと最後のボルトから草つきまでのトラバースが怖い
少し登り、懸垂ポイントを探す。
明らかにロープで擦れた木があるのでわかりやすい。
50mロープで下まで懸垂が可能だが、間違えてザックに30mロープを入れてしまった。
なんとか降りれないか、試してみたが5mほど足りない。
途中まで降りて飛び込むか…滝を人工で直登?ナッツ持ってきてないから無理だなー
色々考えたが自分の確認ミスだし、入山前に事故報告を聞いたばかり…
安全第一で撤退することにした。くそー!残念だけどまた来れば良いよね!!!
懸垂点からC S3兄弟と30cmゴルジュが見える
九州の沢は情報が少なく遡行図も手に入らないため、地形図頼りの遡行だった。どんな滝が出てくるか想像しながら進み、楽しく良い経験となった。
九州の沢情報は「九州の沢と源流」(出版:葦書房 著:吉川 満)に多く載っているが絶版。古本もあまり出回らないので入手困難である。(値段はプレミア価格となっている)
鹿児島の沢は鹿児島山岳会が出版した「鹿児島の沢登り」(出版:不明 著:川野秀也)に詳しく載っている。これも絶版となっている。
自分は今回、サワグルイさんのホームページを参考に沢を探した。ネットを上手に使うと良いかもしれない。
また、現地の詳しい沢情報は、鹿児島・宮崎の山道具屋で聞くことができた。
どのお店も快く教えていただき本当に嬉しかった。ありがとうございます。
5月頃天候が安定し、九州の沢はベストシーズンになるそう。5月なら大崩、比叡あたりでクライミングも楽しめそうそうなので、ゴールデンウィークを使ってまた行きたいですね!