救助講習会 実践コース

【分類・山域】救助講習会 御在所 藤内壁 【記】中川
【日時】2019年10月5日(土)~10月6日(日)
【メンバー】白井さん、中川
【天気】晴れ(風強し)

【行程】
10/5(土)医療関係(縦走コースと共通)、自己脱出(実践コース)
10/6(日)登り返し、介助懸垂、登り返しから介助懸垂の一連の流れ

【装備】
通常のクライミングに使う道具一式
ロープは40m程度
カラビナ6枚、環付カラビナ6枚、スリング(120×4、60×8)程度
アッセンダー・タイブロックはあると使い方の勉強になる(なくても可)
カム、ナッツ、ハーケン、ハンマー等は不要でした。

【本文】
岳連講習会のひとつ「救助講習会」に参加してきました。
私は実践コースを受講しました。縦走コースはコチラ

岳連の資料によると「救助技術とは救急処置と搬送技術しそして救助活動中の安全確保を図る技術」とあります。
救急処置は山岳医の先生と山岳看護師2名による医療チームによる講習。搬送技術は岩場での実践講習。という構成でした。
医療関係のパートでは、足首捻挫の理論とテーピング方法、心臓マッサージの重要性、講師の想定したシナリオシュミレーションなどを行いました。

↑足首にテーピングを巻く

三浦先生曰く、「足首は捻挫するように出来ている」の通り、岩場への移動中に白井さんが足首捻挫を実演。早速足首固定のテーピング実践となった。幸い捻挫の程度は軽かったみたいで良かったです。
ただ伸縮性のあるテープでの固定では行動するのには不安がある。非伸縮性の方が行動するならイイのでは?と。
講習では非伸縮性のテープでは接着が強く皮膚へのダメージが大きいのでオススメではない。とのことだった。時と場合によって伸縮性と非伸縮性を使い分ければ良いと思いました。

↑救助者ひとりで傷病者を仰向けにする方法(首を固定)

 

岩場での救助(搬送技術)パートでは、自己脱出、登り返し、介助懸垂を行いました。

↑自己脱出

登り返しシステムは、足がフリクションノット(オートブロック)、上部はチェストハーネス&シットハーネスにアッセンダーを使用してロープを登りました。
バルトダンというフリクションノットを使うとメインロープにスリングが食い込み過ぎず・締まり過ぎずで登り易かったです。

↑登り返しをする白井さん

岩場には限られた人数しか取り付けないので、樹や斜面を使って個人的にトレーニングをしました。
吊り上げ1/3システム(レイジングシステム)を白井さんに教えて頂きました。青木ヒッチを使うと安全度が増します。

一日目の講習会の夜はテントではなく、救助講習会らしくツェルト泊をしました。ツェルト泊は初めてでした。思った以上に広く快適でした。

二日目は、介助懸垂を教えて頂き、その後に登り返しからの介助懸垂(要救助者のぶら下がっているロープを切ってキャッチ)という一連の流れを実践しました。
初めての介助懸垂、初めてのロープカットでした。適当なセッティングでロープをカットすると要救助者の落下距離が長くなり自分も要救助者も支点も危険なので、要救助者の落下距離が少なくなるようにセッティングする事が大事。

↑介助懸垂をセッティング中の白井さん

ロープカットでは、ロープが結構簡単に切れてしまうことに驚きました。トップロープを掛ける時に岩角に擦れた状態でセットしてしまうことがあるが、危険極まりない。今後はロープは簡単に切れる事を頭に入れてロープを扱うべきと感じました。

↑介助懸垂で要救助者のロープをカットするところ

↑カットしたロープの残骸

私は今回受講した実践(搬送技術)コースをもって、岳連の講習(救助講習の縦走コース、確保講習の初級~上級)をひと通り受講し終わりました。
大先輩方の足元には遠く及ばないものの、山岳会に入る前と比べれば大きく成長したと感じています。
救助技術を使う場面にならないようにするのが望ましいですが、もしそうなった場合にひとつでも使える知識・技術をこれからも増やしていきたいと思っています。
白井さん曰く、少なくとも一緒に行くパートナーには是非講習に参加して救助・確保技術は習得して欲しい。と。

最後に岳連の指導員さん、白井さんにはお世話になりました。丁寧に教えて頂き、ありがとうございました。

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
インスタ、フェースブック フォローしてください!

目次