平成26年度 安全登山普及指導者中央研修会(立山)

平成26年6月27日(金)~29日(日)
亘さんから、人が足りないので手伝ってと春先に言われ、軽い気持ちで、いいよと答えたが、行ってみると私以外は、学校の先生だったり、プロガイドだったり・・・。また、長年講師をされている方が多く、みなさん慣れているようであった。強いて言えば、主任講師が北村さんで、副主任講師が亘さんという顔なじみなところがホッとする。
講師新人の私は、いつもと同じことをしてねと、亘さんや北村さんに言われていたが今までどういう講習をしていたのかも詳しく分らず、研修に臨んでいた。
26日(木)の夜7時30分北村さんちに集合し、亘さんちに行き、多治見の高須さんを拾って富山に向かう。高速は使わず地道で行く。午前2時前に研修所に到着し、亘さんが事務所を開け、午前4時まで酒を飲みながら雑談をする。
27日(金)朝、明るくなると目が覚めたが、起きてもやることがないので、強制的に寝ていた。午前10時ごろから全体講師の顔合わせや講習内容の打ち合わせを班ごとに行う。5-A班(60代3名)は、地元の山岳ガイドの岩雄さん。5-B班(社会人4名)は私。5-C班(学生4名)は、大学卒業から今日まで約15年講師をしている桜井さんで、私はお二人に助けていただいた。5班はこのABCの3人の講師で行ったが、行動中は3つの班はバラバラになる。
岩雄さんから今まで経験した講習の方法や山域を聞き、方針を決める。1日目はまず、研修生が白地図に実技を行うルートを書き、特徴物を見つける。次に、コンパス1・2・3を行う。2日目は、実技でルート上の特徴物を確認しながら進み、ラストは道の無い藪こぎを行うことに決めた。
いよいよ、1日目の開会式が1時から始まり講義がスタートしていく。1時30分から地図・プランニングコース全体の基調講演を亘さんが行い、地図、地形等の説明があった。3時からは、5班と6班(1~4班登はん技術)に分かれ、2日目の講習内容の説明をおこなった。
残念ながら、雨が降ってきたので、コンパス1・2・3の実技は5班はさらに教室と体育館に分れて行うのだが、場所が狭く、また体育館は登はんの研修も行われていたので、思うような研修ができなかった。
夕食後、班別協議が行われ、装備点検が行われた。個人装備のラテとかマッチ等の他にもツエルトとかコッファーとか10mぐらいのザイル等も含まれていた。こんなに装備が多いと地図に集中できないのでは・・?と疑問も残ったが・・・。しかし、2日目の実技で実は装備点検が重要であることを知った。
2日目は、朝7時研修所を出発し、研修エリアへ向かう。白岩川~尾根までは道の無い沢のルートである。特徴物を確認しながら進むが、事前に研修生それぞれが、特徴物を見つけているので、順番でトップを交代しながら、それぞれが決めた特徴物まで進む。地図が読めない方は、特徴物までの間隔が広くなり、地図が読める方は間隔が狭くなる。間隔が広い方は、途中の微地形の特徴物を説明しながら進む。よくよく考えるといつも行っていることをしているわけで、この前の明神山へ地図を片手に行ったようなものである。ぜひ一緒に行くときは、私を活用してもらいたいと思う。
研修を進めて行くと、途中の尾根に出たところで一端、集まろうということになっていた。ここで、5-C班が来るまで時間があったのでA班の岩雄さんと話していたら、現在位置は、スマホで分ると言われ、スマホを見せていただく。精度も高いし、GPSよりも使いやすい。しかも地図を正置までしてくれる。単純に欲しくなった。
尾根の分岐を過ぎ、長尾山までは、微地形が続き、地図に表れていない地形も出てくる。初見では、難しいので、「この辺の地形は難しい」と正直に答える。それでも、地図マニアとしては、微地形をドキドキしながら説明する。歩測もした。しかし、この歩測が合わない。よく考えると、25000分の1を拡大コピーしており、しかも、縮尺精度もいまいち怪しい。
実は、研修生のうち1人がGPSを持っていて、「さっきの所、河合さん合ってました。」と教えてくれる。「最初っから言えよ」と思ったが、ホッとしたのが正直な感想だ。彼も練習だからなるべく見ないようにと気を使っていたのだろう。
長尾山からライオンズの森までは、藪こぎを行う。道の無いところを進む。地図を読みながら特徴物をコンパスで方向を決め、距離を確認する。ここの藪が半端なく本番である。そういえば、昨日、装備点検をおこなっていたが、読図研修で必要だと認識した。実は、私、装備点検をなめていました。反省。藪こぎの途中で雨も降ってきて、いよいよ実践となってきた。
いざ、道に迷った場合は、西にコンパスを振ると林道が囲んでいるので、安心だが、研修生は不安な顔をしている。最悪の場合の回避の方法を告げると、みな冷静を取り戻していく。
 当初計画したルートは藪が濃いためあきらめ、無事林道に辿り着くことができた。雨は強くなってきたが、研修生はみんな満足している顔であった。
 夜は、研究協議で瀬木先生の概念図の作成について講義があった。
 3日目は朝7時に研修所を出発し、あわすのスキー場~龍神(たつがみ)の滝まで読図を行う。クイズ形式で現在位置はどこ?という質問にみんな必死に地図を見ていた。研修生はみんな真剣に受講されており、自分も久しぶりに基本に立ち戻った気がした。
 思えば、高校時代、モー先生が研修所の講師で立山に行っていることを知っていたが、まさか自分もここで研修をするとは思ってもいなかった。少し、感慨深いものがある。
-記・河合-
 


平成26年6月27日(金)~29日(日)
 亘さんから、人が足りないので手伝ってと春先に言われ、軽い気持ちで、いいよと答えたが、行ってみると私以外は、学校の先生だったり、プロガイドだったり・・・。また、長年講師をされている方が多く、みなさん慣れているようであった。強いて言えば、主任講師が北村さんで、副主任講師が亘さんという顔なじみなところがホッとする。
 講師新人の私は、いつもと同じことをしてねと、亘さんや北村さんに言われていたが今までどういう講習をしていたのかも詳しく分らず、研修に臨んでいた。
 26日(木)の夜7時30分北村さんちに集合し、亘さんちに行き、多治見の高須さんを拾って富山に向かう。高速は使わず地道で行く。午前2時前に研修所に到着し、亘さんが事務所を開け、午前4時まで酒を飲みながら雑談をする。
 27日(金)朝、明るくなると目が覚めたが、起きてもやることがないので、強制的に寝ていた。午前10時ごろから全体講師の顔合わせや講習内容の打ち合わせを班ごとに行う。5-A班(60代3名)は、地元の山岳ガイドの岩雄さん。5-B班(社会人4名)は私。5-C班(学生4名)は、大学卒業から今日まで約15年講師をしている桜井さんで、私はお二人に助けていただいた。5班はこのABCの3人の講師で行ったが、行動中は3つの班はバラバラになる。
 岩雄さんから今まで経験した講習の方法や山域を聞き、方針を決める。1日目はまず、研修生が白地図に実技を行うルートを書き、特徴物を見つける。次に、コンパス1・2・3を行う。2日目は、実技でルート上の特徴物を確認しながら進み、ラストは道の無い藪こぎを行うことに決めた。
 いよいよ、1日目の開会式が1時から始まり講義がスタートしていく。1時30分から地図・プランニングコース全体の基調講演を亘さんが行い、地図、地形等の説明があった。3時からは、5班と6班(1~4班登はん技術)に分かれ、2日目の講習内容の説明をおこなった。
 残念ながら、雨が降ってきたので、コンパス1・2・3の実技は5班はさらに教室と体育館に分れて行うのだが、場所が狭く、また体育館は登はんの研修も行われていたので、思うような研修ができなかった。
 夕食後、班別協議が行われ、装備点検が行われた。個人装備のラテとかマッチ等の他にもツエルトとかコッファーとか10mぐらいのザイル等も含まれていた。こんなに装備が多いと地図に集中できないのでは・・?と疑問も残ったが・・・。しかし、2日目の実技で実は装備点検が重要であることを知った。
 2日目は、朝7時研修所を出発し、研修エリアへ向かう。白岩川~尾根までは道の無い沢のルートである。特徴物を確認しながら進むが、事前に研修生それぞれが、特徴物を見つけているので、順番でトップを交代しながら、それぞれが決めた特徴物まで進む。地図が読めない方は、特徴物までの間隔が広くなり、地図が読める方は間隔が狭くなる。間隔が広い方は、途中の微地形の特徴物を説明しながら進む。よくよく考えるといつも行っていることをしているわけで、この前の明神山へ地図を片手に行ったようなものである。ぜひ一緒に行くときは、私を活用してもらいたいと思う。
 研修を進めて行くと、途中の尾根に出たところで一端、集まろうということになっていた。ここで、5-C班が来るまで時間があったのでA班の岩雄さんと話していたら、現在位置は、スマホで分ると言われ、スマホを見せていただく。精度も高いし、GPSよりも使いやすい。しかも地図を正置までしてくれる。単純に欲しくなった。
 尾根の分岐を過ぎ、長尾山までは、微地形が続き、地図に表れていない地形も出てくる。初見では、難しいので、「この辺の地形は難しい」と正直に答える。それでも、地図マニアとしては、微地形をドキドキしながら説明する。歩測もした。しかし、この歩測が合わない。よく考えると、25000分の1を拡大コピーしており、しかも、縮尺精度もいまいち怪しい。
 実は、研修生のうち1人がGPSを持っていて、「さっきの所、河合さん合ってました。」と教えてくれる。「最初っから言えよ」と思ったが、ホッとしたのが正直な感想だ。彼も練習だからなるべく見ないようにと気を使っていたのだろう。
 長尾山からライオンズの森までは、藪こぎを行う。道の無いところを進む。地図を読みながら特徴物をコンパスで方向を決め、距離を確認する。ここの藪が半端なく本番である。そういえば、昨日、装備点検をおこなっていたが、読図研修で必要だと認識した。実は、私、装備点検をなめていました。反省。藪こぎの途中で雨も降ってきて、いよいよ実践となってきた。
 いざ、道に迷った場合は、西にコンパスを振ると林道が囲んでいるので、安心だが、研修生は不安な顔をしている。最悪の場合の回避の方法を告げると、みな冷静を取り戻していく。
 当初計画したルートは藪が濃いためあきらめ、無事林道に辿り着くことができた。雨は強くなってきたが、研修生はみんな満足している顔であった。
 夜は、研究協議で瀬木先生の概念図の作成について講義があった。
 3日目は朝7時に研修所を出発し、あわすのスキー場~龍神(たつがみ)の滝まで読図を行う。クイズ形式で現在位置はどこ?という質問にみんな必死に地図を見ていた。研修生はみんな真剣に受講されており、自分も久しぶりに基本に立ち戻った気がした。
 思えば、高校時代、モー先生が研修所の講師で立山に行っていることを知っていたが、まさか自分もここで研修をするとは思ってもいなかった。少し、感慨深いものがある。
 

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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