珍道中の錫杖岳-左方of左方カンテ(無名ルート)

【錫杖岳】2015.11.7-8(山形)
【年月日】2015年11月7日-8日
【メンバー】山形(L)、小野

毎週のように山に行きたいのです。
色々なルートに行きたいのです。

そうだ!もっと本チャンを好きな人を増やそう!
という事でサイゼリアでの例会時に小野さん(隊長)を誘惑、「錫杖行きましょうよ~絶対楽しいですよ~」と甘ったるい声で勧誘の結果、今回の山行が実現した。

私が夏に怪我をし、沢でご一緒出来なかった事もあり隊長とは阿弥陀以来の実に久しぶりの山行となった。

11月6日の金曜日20時豊川発で日付が変わる頃に槍見駐車場に到着、さすがにこの時期は我々だけでした。軽く一杯やって寝る。

翌日は早朝に車が二台程来たが錫杖岳を目指したのは我々だけか。
眠い目をこすりつつ、重い荷物を背負いつつ9時頃にベースとなる錫杖沢の出合いに到着する。

いや~、遠目から見ても前衛壁かっこよすぎでしょ!
image早々にテントを張り、10時前には取り付けそうだ。

全て計画通り!ワッハッハ!アタックザック、ハーネスを装備していざ出発!!今日の狙いは前衛壁-左方カンテだ。
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先行パーティーはもちろん、後続も皆無、独占状態です!
人気ルートで夏季には渋滞の左方カンテのハズだが急かされることも待たされることもない超快適クライミングになるなとワクワクしながら前衛壁基部に到着。

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左方カンテ、左方カンテ、ねー」と基部を北沢大滝の方に歩く。
注文の多い料理店までは行かないからこの辺かなーと辺りを見渡す。

1P目は「かぶったチムニーから凹角,Ⅲ+」だ。
あ、これだなとそれらしき取り付きを発見する。
見上げると木も生えているし事前に写真で見ていた場所とそっくりだ。

リングボルトだがビレーステーションもある。
靴を履き替え山形が1P目を行く。

2012年に左方カンテには大規模なルート整備が入り、不要なハーケンの撤去等が行われオールNPで登れるという事前情報はしっかり頭に入れていた。

予定通り、カムや立木でランニングを取りながら進む。
最初は順調に進むが「あれ?Ⅲ級だよな?うそーん、悪くね?先週の伊豆でも返り討ちに合ったし、こんなにクライミングが出来なくたっていたのかー!!!」とショックを受ける。

リングボルトやハーケン等あって僅かながら登られている形跡があったが、あまりにも悪すぎた為、一つの疑念が生じた。状況証拠として人気ルートのハズなのに岩に苔が付いているし、ぐちゅぐちゅだ。
「取り付きを間違えたのでは…」

そのうち確信に変わる。どうやって撤退しようかー、懸垂点はどこにあるかなと色々頭も使い1P目で1時間弱を費やしてしまった。

懸垂で撤退するにもまずは隊長を引き上げなければという事で引き上げる。
時計を見ると11時過ぎ…撤退しても左方カンテを確実に抜け切る時間は無さそうだ。
がびょーん!!ショック!

懸垂する方法はいくつかあったが僅かながら左方カンテへの合流の可能性を信じ、もうちょっと上に行く事にした。

2P目は隊長のリード。さすがの隊長!厳しいルートだったがクライミング能力は全く問題ないので慎重に抜ける。せっかくの本チャンルートが全然快適じゃないルートになってしまってすいません。

積雪した焼岳が遠方に見える。
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隊長の「山形、やってくれたな」の顔。
すいませんでした!
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3P目は山形がリードするも左方カンテとの合流の兆しは無し。
時間も時間なので撤退する事にした。

慎重に懸垂ポイントを選び、しっかりロープを連結、無事に取り付きまで戻れて一安心。

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訳分からんルートを後にする。「日本の岩場 下」にも今回のルートの詳細が残っておらずネットで色々調べた結果、「無名ルート」というルートなのかなぁと思っていますが真実は分かりません。

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帰りに真の左方カンテの取り付きを見つけ、明日晴れますように!
と祈るも願いむなしく雨でした。

携帯で天気予報を確認しても日曜日は朝から雨という事で夜遅く23時頃まで誰もいない錫杖沢で宴会し、翌日は雨の錫杖岳を帰りました。
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何とも不甲斐ない結果になってしまった。
自分もまだまだだなぁー。
ですが失敗して学べたことは本当にたくさんあった。

※広い視野で現場を見る

宿題が残りました。錫杖沢は快適なテント場だし一年に一回は絶対来よう!リベンジしたるー!

隊長に本チャンのとんでもない達成感を味わって欲しかったがそれもならず。でもこれに懲りず来年一緒に左方カンテやりましょう!

備忘録を兼ねて以下、宿題
2016年 左方カンテ、1ルンゼ
2017年 注文の多い料理店、見張り塔からずっと

記;山形

この記事を書いた人

こいつノリで生きてるだろと思われがちな関西人ですが山に対しては真剣です。厳しいルートを登った後に絶景を見ながらテント泊にて赤ワインを嗜む、そんな登山が大好きです。

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