雨上がりの薬師岳縦走(室堂〜折立)

【薬師岳縦走】20.9.19(二橋)
【2020年9月19~21日】
【メンバー】L.河合 遠山 吉中 二橋

連休を利用して、室堂~薬師岳~折立の前夜発2泊3日の縦走を計画。
直前まで天気予報も悪く、初日、2日目が雨、特に強風が予想されたため、低体温症のリスクを考えると中止の2文字がちらつくが、直前のミーティングでのリーダーの「防寒対策をしっかりしていきましょう」の一言を素直に前向きに受け止めて、今回も雨でも行く気満々。

慣れというのは恐ろしい。今年は雨に慣れすぎて、雨=中止という発想がなくなってきた。悪天候のリスクは考えているし、撤退も視野には入っているし、防寒対策もしたし、スマホの防水スキルも上がったし、レインウェアのメンテナンスもばっちりだし、何より天気予報だんだん良くなってきてるし、もしかして行けるんじゃない?とい先輩方の希望に反して諦めない心が育ってしまった。(もちろん予報と状況によって諦めるときは諦めます)

そんな願い(?)が通じたのか、直前には予報も好転、予定通り出発することに。

[1日目]豊川~立山駅
[2日目]立山駅~室堂~五色ヶ原キャンプ場
[3日目]五色ヶ原キャンプ場~越中沢岳~スゴ乗越小屋~北薬師岳~薬師岳~薬師岳山荘~薬師峠キャンプ場
[4日目]薬師峠キャンプ場~太郎平小屋~折立

9月18日(金)【1日目】
高速を利用、松本を経由して立山へ。
道中雨が降り出し、メンバーのテンションが下がる。
立山に入って仮眠、何故か夜中でも鶏が鳴いているが気にせずに快眠。

9月19日(土)【2日目】
雨の中、30分ほど車を走らせて立山駅へ。
駅周辺の駐車場も空いており、車はすぐに止めることができた。すぐにレインウェアを着て出発準備。

アルペンルートの切符売り場に行くと列ができているが、30分程待っただけだった。始発から3本目、7:00のケーブルカーに乗ることが出来た。

ケーブルカーとバスを乗り継いで、室堂へ。
室堂に着くと、奇跡的に青空が。
立山三山も劔も、劔御前小屋まではっきり見える。
ほら、晴れた・・・心の声・・・。

初日の五色ヶ原までのコースタイムは約5時間、室堂から短時間で稜線に出るにはルートは2つ。
五色から稜線をのぞめる浄土山を経由するか、体力温存できる一ノ越へ登るか、どちらもコースタイムはほぼ同じ。天気も、良くなったので迷いなく浄土山を選択。他の登山者も、続々と登ってくる。明らかにテント泊装備のグループが多く、目的地は同じようだ。

雷鳥の歓迎をうける

浄土山北峰まで行くと五色ヶ原と薬師岳が見え始める。室堂側の眼下には雲海が広がる。
今年は冬から何度も貴方にもてあそばれましたが、最後の最後にこんな景色が。山の神様ありがとう。雨のおかげで、山はいつも以上にキラキラして見えた。

ここからは龍王岳の西側を巻いて、鬼岳は東側斜面を巻く。獅子岳へガレ場の急登、ざれたつづら折りを激下り、ザラ峠を通過し、五色ヶ原キャンプ場へ。5時間の行程とはいえ、なかなかハードな道のりだった。
五色キャンプ場は快適そのもの。気になる「熊注意」の立て札はあるが水場もトイレもきれいだった。水場は沢が枯れているとの事だったが、直前の雨で水量は多かった。

テントを張って、お茶で休憩&宴会、
五色ヶ原山荘へ買い物に行き、夕飯。
明日の長時間の行程に備えて、お肉たっぷりの茄子カレー。
ご飯もアドバイスのおかげで今回は美味しく炊けました。


風がだんだん強くなったので、早々に撤収。

6時就寝したが、風が強く、音で時折目が覚めた。

9月20日(日)【3日目】
今日は五色ヶ原キャンプ場~薬師峠キャンプ場へ、コースタイム約12時間のロングコース。

1時半起床、3時出発

五色ヶ原山荘を通り、気がついた。出発が早すぎて、真っ暗闇の展望なし。
2時間程暗闇の中を歩き続ける。2時間展望なし。足下の花さえ、目に入らない。
残念、残念すぎる😭

ようやく空が白み始めたのは鳶山のピーク付近だった
遠くの山々が少しの間赤く染まったが、雲が多くご来光も見えぬまま明るくなった。

越中沢岳を越えるとここでも500mの激下り。アップダウンを繰り返し、スゴ乗越、スゴ乗越小屋へ。

間山あたりから隣の稜線の山々が見えてきた。
赤牛、水晶、そして槍・・・赤牛変わった名前だと思っていたが、赤茶のその山肌はその名の通り赤い牛が座っているようだ。間山から北薬師は予想以上に長く、岩稜・ガレも多く、今日が晴れてくれてよかったと心から思う。

スゴ乗越小屋

 

間山

北薬師岳手前

北薬師岳

北薬師からはちいさなアップダウンを繰り返し、薬師岳へ。

薬師岳山頂

山頂は今まで歩いていたコースとは違い、突然登山者が増えた。折立からピストンの人が多いようだ。360度の大パノラマをゆっくり楽しみ、あとは下山だけ、薬師岳山荘まで一気に駆け下りる。

山荘でご褒美の甘味を楽しみ、薬師峠キャンプ場へ。
キャンプ場までは、樹林帯の沢筋を通るが岩稜、ガレも多い。

薬師峠キャンプ場は、昨日とは違いかなりの数のテントが所狭しとひしめき合っていた。
薬師岳山頂からここまで、沢山の登山者にあったが、予想以上の数。
折立まで下山かと不安になったが、わずかな隙間を見つけて、整地、テント設営。
先輩方の整地・テント設営のスキルに頭が下がりました。

16:00~受付が始まる。
このキャンプ場にも水場、トイレが設営されている。

パスタ&スープ&チーズ

水汲みの後、宴会、夕飯、就寝。

9月21日【3日目】
3時半起床、5時出発。
今日は太郎平小屋~折立へ約3時間。
途中太郎平小屋で折立から立山駅へ戻るタクシーを予約をする。

あとは下山のみ。
出発が早かったからか、三角点ぐらいまでは、出会う人もまばらだったが
そこを越えると続々と登山者が登ってくる。
今日はただ下るだけだと思っていたが、ここでもなかなかの激下り。
木々の隙間から、登山口の駐車場が見え始めて折立到着。

登山口には、トイレや水場にはブラシまで用意されていたので、ありがたく利用させていただいた。

[まとめ]
薬師岳、噂通りの大きな山でした。
立山から見るその優美な山容からはあまり想像が出来ていませんでしたが、
アップダウンも多く、岩稜、ガレも多く手強いコースでした。
初秋、雨上がりということもあって風は冷たく、特に2日目は長時間稜線を強風に吹かれていたので、だいぶ体力を消耗し、秋山山行の難しさを痛感しましたが、天気回復によって北アルプスを一望できる大パノラマを見られたこと、そして今回のコースを経験できたことをとても勉強になりました。

 

この記事を書いた人

目次