豊川山岳会

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針ノ木岳~烏帽子岳縦走

   

【針ノ木岳~烏帽子岳縦走】
●日時 2011年9月22日夜~25日
●メンバー:上田
3連休で好天が予想されたため、単独とはなったもののこれまで歩いていない種池から針ノ木岳~烏帽子岳の縦走を静かに楽しむことにする。
◎9月22日(木) 夜20時40分出発。東名、東海環状、中央道、長野道豊科経由で
扇沢の柏原新道駐車場に1時過ぎに到着。車中で仮眠とする。
 
◎9月23日(金)
6時、登山者の賑わいで目が覚める。目の前のテントで登山届所が開設されている。計画書を提出し、7時に出発。爺ヶ岳から針ノ木岳の稜線は2500~2800m位で、高低差が比較的小さい稜線が続くことから屏風連山の別名もあるとのこと。多少雲は出ていたがこれから向かう稜線は晴れていた。
扇沢登山口
 柏原新道は最初は爺ヶ岳の南稜を標高2000m位まで、そこからは扇沢側をゆるやかにトラバースしながらの道で実に歩きやすい。途中からは針ノ木雪渓が正面に見えるが今年この時期にはほとんど雪は残っていない。小屋の少し手前でガレた沢をトラバースするが残雪も無く問題なし。9時40分に種池山荘で小休止。ほとんどの登山者が爺ヶ岳方面に出発する中、何人かは新越方面に歩き始める。徐々にガスが出てきて、岩小屋沢岳(2630m)は霧の中の通過。途中、雷鳥のオスとメスが1羽づつ、棒小屋乗越付近と新越小屋少し手前で姿を見せてくれる。警戒心少なく、近寄っても逃げず足の白い羽毛がかわいい。11時50分には新しい新越山荘に到着。テント場は無く素泊まり(6000円也)とする。
棒小屋乗越の雷鳥君新越山荘
お客さんも徐々に増え、2Fの喫茶室も客室となりほぼ8割方の入りとなる。見ると14時過ぎからは小雪が降り出し、夕方までに草の上には所どころうっすらと雪化粧。台風15号から変わった温帯低気圧と大陸から近づく高気圧で縦縞の気圧配置で、新潟方面はしぐれていたが、北アでもしぐれ模様が初雪となった。雪も止み剣が見える。
 小屋ではドコモとアンテナ契約をしていて発電中には携帯が使えた。
◎9月24日(土)
4時、小屋の発電機の音で目が覚める。自炊室で軽い朝食を取り、4時45分に満点の星と月齢25の細い月明かりの中ヘッドランプで出発。氷点下3度、ほぼ無風である。所々扇沢側が切れ落ちているので薄明の中注意しながら進む。鳴沢岳5時20分、うっすらと明るくなる。登山道の積雪は無く霜が残る程度で歩行に問題は無い。少し下ると5時37分、ご来光が志賀高原四阿山付近から登る。雲海が素晴らしい。
24日の日の出 赤沢岳山頂にて
立山が、続いて目の前の剣岳の山頂がピンクに染まる。赤沢岳山頂に6時着。
剣岳
八峰、長次郎雪渓、源次郎尾根、平蔵雪渓を正面に見て剣の絶景を堪能する。眼下の黒部湖の表面は薄っすらと結氷していそうだ。行く手はスバリ岳と針ノ木岳が高く聳え、痩せ尾根を連ねる。スバリ岳の右手前にはカナダのトレーニング山行で、宮尾君、山本さんと残雪期に登った中尾根がせりあがっている。
スバリ岳
7時50分スバリ岳着。赤沢岳西尾根のⅡ峰、Ⅲ峰(猫の耳)も良く見える。
赤沢岳西尾根と剣岳
白馬から鹿島、立山から薬師など大展望を楽しみながら針ノ木岳に8時25分に到着。下って針ノ木小屋で大休止(9時15分)。砂礫のゆるやかな尾根を登りきると蓮華岳の雄大な山頂(10時25分)。蓮華の大下り500mの向こうには濃い緑の樹林と花崗岩の白い崩壊壁の地味な縦走路がうねりながら伸びる。
七倉岳から不動岳:遠景は鑓穂高
最初は砂礫の下降路、最後は岩場の梯子とクサリ場を1時間たっぷり下り2275mの最低鞍部、北葛乗越に着く。
蓮華の大下り下部
ひと頑張りで北葛岳(2551m)に着くと(12時25分)針ノ木岳のピラミダルがカッコよく、プチ剣岳といった姿を見せてくれる。
北葛岳から針ノ木岳
痩せ尾根を慎重に下り、最後ひと頑張りで七倉岳頂上に13時45分に到着。尾根伝いに下りテント場と船窪小屋の分岐にザックを置いて小屋へ。鐘の音で登山者を迎えてくれ、祈祷旗(タルチョ)がはためく。ネパールの方が1人働いて見える由。
船窪小屋と槍穂高
名物のお母さん(松沢寿子さん(75))にテント場の受け付けをお願いする。発電機を使わずランプといろりで、揚水もせずに15分離れた水場から毎日水をボッカしているという、北アの小屋では他に無い程の素朴でアットホームな小屋。小屋の周りに集う宿泊客たちもなぜか暖かい表情に思える。
http://funakubogoya.net/
http://www8.shinmai.co.jp/yama/2006/06/15_002094.html
「私は山の上のお母さん」松澤寿子著
テント場に着くと女性3人のパーティのみだったが、徐々に人も増え、夕方には7張りと賑やかになった。水場は下り4分登り7分、白ザレの崩壊壁の最上部にパイプが差してあり、伏流水を取りだしている。槍や針ノ木の眺めを楽しみながら、周りのテントの住人との他愛もない会話をつまみに一杯楽しむ。
◎9月25日(日) 4時起床、お茶漬けを食べ、5時にヘッドランプで出発。昨日より透明度は下がるが快晴である。今日も霜が降りている。不動沢を隔てた対岸、船窪岳第2ピークあたりには2つヘッドランプが動いている。途中の登山道でビバークしたのだろうか? 薄明の中左側の崩壊に注意しながらゆっくりと歩く。針ノ木谷への分岐、船窪乗越(2160m)からは高瀬ダム湖の向こうに槍穂高が真南に見える。
船窪乗越
ここから船窪岳第2ピーク(6時30分着)までは鎖場で時間がかかる。しばらく歩きにくい鎖場が続くが、不動岳の登りの途中からは多少歩きやすくなる。 8時20分、ようやく不動岳(2601m)に到着。久々の展望ピークで、烏帽子岳も近づく。ここで本日初めてのすれ違いの登山者。
船窪岳と針ノ木と蓮華
南沢乗越へ下り、南沢岳(10時)まで来ると最早穏やかな稜線が広がるのみである。
烏帽子岳と裏銀座
 下ると雲上の楽園、烏帽子田圃・四十八池をのんびりと歩く。大きいのは20m、小さいのは2~3mの池塘を16個位まで数えた。池の端にはチングルマの綿毛の大群落が続く。盛夏にはさぞかし華やかな光景だろう。烏帽子岳の分岐にザックを置きピストン。
烏帽子岳薬師岳と赤牛岳
岩峰の右側を登り、次に岩と這松を縫いながら北面に回り込み、最後は花崗岩の70度 10mの壁。新しい鎖伝いに直登、右に左にトラバースして頂上の岩塊に到着。(11時)北アルプス360度の大展望をゆっくり楽しみ下る。登り15分、下り10分である。小屋に11時45分に到着。結局烏帽子小屋までは1パーティ追い抜き、1人にすれ違ったのみ。
小屋で行きあった単独の方(3日間で燕~槍~烏帽子縦走)と高瀬ダムからのタクシー同乗をお願いすることとし、いいテンポで14時15分、高瀬ダムに到着。扇沢で車を回収、大町温泉郷で一風呂浴びて帰豊する。
唐沢岳と幕岩
<単独行の心地良さと寂しさ>
単独行の遭難事故が起きるたびにそのリスクがマスコミを賑わす。また登山団体の勉強会や講演会では単独行の危うさを我々も良く問題にする。今回もたくさんの単独行と行きあった。
 里山トレーニングを除けばクラブメンバーとの山行がほとんどの自分だが、単独の泊り山行は別の心地良さがあり、パートナーがいない場合には自分の力量と天気等を鑑みながら時折単独行を楽しむ。秋の谷川の縦走、立山から槍~燕までの縦走、カナダ合宿の後の単独トレッキング、初冬の山形・新庄神室の縦走などなど、いずれも印象深い山旅である。自分で計画し、自分で日々のその時々の行動を決め、実行する心地よさがある。ルートに現れる悪場や眺望、天気の変化に目を配り身の安全を守りながら前へ進み、計画で描いたルートをトレースした達成感を味わう。
 それでも単独行はやはり孤独で、一人で入るテントの中は寂しい。一人酒もおいしいとは言い難い。また岳友との賑やかな山行を楽しみたいと思う。
記:上田歳彦(ueda24@bronze.ocn.ne.jp)

 - 縦走

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