夏合宿 槍ヶ岳北鎌尾根

8/15~18
上高地~槍ヶ岳北鎌尾根~キレット~涸沢~上高地
メンバー:上田、白木、高橋ひ
8/15
前日より沢渡駐車場でテント泊。
第一駐車場目の前のバス停は廃止されており、少し奥に立派なバスターミナルが建設されていた。バスターミナル近くに第三駐車場が新設されていた。これからは第三駐車場を利用するのが便利なようだ。
沢渡から上高地までバスで移動する。朝方のバスはまだ観光客が少ないため空いているので快適だ。
1 河童橋
上高地から横尾まで快調に歩く。時折樹林の間から見える山々は頭に雲を被っている。どうやら盆休み前半程に比べて天気は下り坂気味であるようだ。
赤沢山を過ぎ槍沢の大曲手前で水俣乗越への分岐へわける。水俣乗越から明瞭な踏み跡を辿り天上沢を下る。
2 取りつきをめざす
北鎌沢出合付近は河原が広い。快適なテン場だ。我々の他に10パーティー程いるようだ。
3 取りつき
8/16
朝起きると暗い中他のパーティーがヘッドライトの灯りを頼りに北鎌沢を上がって行くのが見える。我々は薄明るくなってから行動することにする。出合から200m程進むと2俣となる。ここで水の無い右俣へ分け入る。
4 右俣を登る
右俣は概ね単調な登り。上部の小さい枯滝は手前のルンゼを上がり草付きをトラバースした。北鎌沢出合から2時間程度で北鎌のコルへ。
5 北鎌のコル
北鎌のコルからP8、P9(天狗の腰掛)へ。
6 独標見える
7 北鎌尾根下部
P10(独標)が大きく見える。
8 独標
P10基部は足場が崩落しているため残地ロープを頼りにする。今回は直登ルートはやめトラバースルートをとる。
10 トラバースルート
基部を千丈沢側をトラバースしP10のピーク付近を目掛けて登る。ここの登りは一部悪く重荷では少し辛い。要所々々に残地スリングがありありがたい(?)。折角なので(?)空荷でピークまで登り返す。
11 独標頂上
12 独標より
P10を過ぎると概ね尾根通しに行く。巻きは千丈沢側を巻く。ただし無駄に時間が掛かる巻き道への踏み跡もついているので注意が必要である。明らかに尾根通しでは行けない箇所のみ巻くようにした方が無難だ。
13 北鎌平より
北鎌平を過ぎるといよいよ本峰の登り。フリーでサクサク登るが徐々に傾斜が増してきて重荷ではキツイ。上部では念の為ザイルを出し千丈沢寄りを登る。
14 頂上直下の登り
15 独標を振り返る
16 頂上から硫黄尾根
17 頂上にて
槍の穂先に着いたら拍手喝采どころか写真撮影の邪魔者扱い。渋滞の登山道を下り今夜の宿の肩の小屋へ。
ところがどっこいテン場は満員御礼。小屋に泊まるか殺生ヒュッテのテン場を利用して下さいとのこと。仕方なしに殺生ヒュッテまで下る。
18 殺生ヒュッテのテン場
8/17
昨日下った道を登り返す。大喰岳、中岳、南岳と地味に3000m峰を通過する。
19 南岳より
南岳小屋を過ぎると大キレットへの下り。
滑落、落石に注意しながら下る。
20 キレットへの下り
21 南岳を振り返る
長谷川ピークを過ぎA沢コルから北穂への登り。
22 長谷川Pより滝谷
他の登山者の落石に注意しながら登る。やはりキレットの通過は南下する方が楽である。北上する場合は北穂の下りは慎重にされたい。
23 飛騨泣きの混雑
24 北穂頂上
25 前穂
北穂・涸沢岳間も悪場は続く。
26 涸沢岳へ向かう
28 涸沢岳への登り
27 涸沢岳の登り
穂高岳山荘でのんびり過ごす。
◇腹痛と発熱で白木君が受診した岐阜大医学部診療所の案内
高熱で大変だったろうけど、薬で熱が下がって良かった、良かった!(上田)
30 診療所注意が来
8/18
飛騨側からガスが引っ切り無しに上がっている。奥穂の頂は真っ白けで何も見えない。
(診療所の学生さんと)
32 診療所の学生さんと
計画を変更し涸沢へ下る。久々に涸沢へ来たがやはりこの景色はすばらしい。しばし歓談する。
33 涸沢にて
徳沢でソフトクリームを喰らい上高地へ。上高地からバスで沢渡。沢渡駐車場から少し上高地寄りの温泉に立ち寄るが…。湯船は3人程度しか入れないのでオススメはしない。
記:高橋ひ
<感想:上田>
高橋君の久々の合宿登場、白木君の前半剣登攀に続く山行、私にとっては体力的にやや背伸びをしたプランとあって、安全第一で気合を入れて臨んだ。
 北鎌尾根というと戦前の遭難もあって独特の響きを持ったクラシックルートであるが、幸い私は過去に2度訪れている。1回目は92年の10月に山本さん、宮尾君と湯俣から入り北鎌沢から上半を登高した。ガスで間違えて左俣を上がり、気温も下がり堅くなった雪渓に苦労したのを覚えている。2回目は95年のGWに鷲見君、渓稜会の三好君、丸山君と、これも湯俣から末端近くのP2側稜から雨とガスの中登った。独標をルンゼから直登し、一瞬槍の穂先が見えた時はうれしかった。それぞれがいい思い出であるが、今回メンバーも変わり三度目の北鎌を好天の中で登れ、槍穂高連峰を山の仲間と堪能できたのはうれしい限りである。上高地から水俣乗越経由というアプローチもアルバイトは大変だが新鮮だった。
 お盆の北鎌で10パーティあまりと賑やかだったが、スタイルがそれぞれで興味深かった。大天井から貧乏沢経由のパーティも半分位いたし、北鎌沢出合にベースを張り1デイや、槍沢ロッジ上のババ平ベースで1デイなど計量化・速攻パーティも見られた。ロープ無しの単独も何人か出会った。岩慣れした方もいれば、ちょっと大丈夫かなという方も見えた。後日知ったが、ヒュッテ大槍ベースで8月7日に1デイで北鎌周遊のベテランの71歳の登山者が行方不明との情報もあった。総合力が試されるルートだけに何かあった時を考えると余程の自信が無いと単独での入山はリスキーだと思った。
 穂高での滑落や落石事故を教訓に、この夏は槍・穂高の一般ルートでもヘルメット着用が推奨された。クライミング以外の登山者でもヘルメットを持参したり、山小屋でレンタルしたりした姿が目に付いた。大キレット通過などではヘルメットの着用は無論だが、上部の登下降者の混雑具合や落石の経路、岩場への慣れ具合を良く見て登下降を心がけたいと思った。
悪場でのルート探索をリードしてくれた高橋君、前半の剣に続く山行で頑張った白木君、お疲れ様でした。また日にちがずれて山の中では合流は叶わなかったけれど、西鎌尾根パーティと連絡を取りながら同じ空の下、同じ思いで槍ヶ岳登高を楽しめたのは楽しみ倍増でした。クラブの合宿の醍醐味を楽しむことができました。ありがとうございました!

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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