豊川山岳会

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噂に違わない茗渓の金木戸川小倉谷

   

【金木戸川小倉谷】20.8.13(白井良岳)
【2020年8月13日~15日】
【メンバー】L.白井、村上、牧原

以前より遡行してみたかった小倉谷へお盆休みを利用して行ってきました。
色んなガイドブックやらで目にする金木戸川小倉谷の名前。
直接アルプスの笠ヶ岳へ突き上げる沢筋が魅力的です。最低2泊は必要で週末は無理なので今回のお盆休みを利用する。
今年の梅雨明けは8月に入ってからと長く、水量が多めかと予想出来ました。

12日の夕方に村上君と合流して白井号で新穂高温泉を目指す。
新穂高の無料駐車場でマッキーと合流し駐車場泊とする。強くはないが夜中も雨が降るので、沢の事が心配になる。
そんな天候であったが無料駐車場はほぼ9割以上は埋まっていて、その後も登山者の車が訪れ埋まって行きました。

13日(木) 4:30起床:新穂高温泉無料駐車場—中尾高原口の駐車場6:00—6:30双六ダム第一ゲート前6:45—10:10小倉谷出合10:50—宿泊地(1410m辺り)
雨の中テントをたたみ、下山口である中尾高原口にある無料駐車場へ移動する。ここはよく錫杖岳の岩場を登る時に利用する駐車場だ。
自分の車をデポし牧原号のハスラーにザックを載せて、登山口である双六ダムへ向かう。
長雨と地震の影響かR471は何か所も工事の為交互通行となっていた。
双六ダム第一ゲート前には5~6台ほど車がすでに止まっていて、私たちと同じ小倉谷へ向かう二人PTと双六谷を登ると言う6人の大所帯PTの車が置いてあった。
我々も最後に出発して金木戸川沿いの林道を雨の中、黙々と歩みを進めていく。中ノ俣の分岐を右に別れひたすら歩く。
林道歩きは嫌いである、好きな人も少ないと思うが、今回はまだ元気な歩き始めであった為か比較的に苦痛に感じなかった。
時折のぞく金木戸川はアルプスの沢にふさわしくスケールが大きく良い渓相をしていた。
順調に歩みを進め、3時間半ほどで小倉谷の出会いへ到着。天気がカンカン照りであったらこんなに早く到着することは無かったかもしれない。
第一ゲート前で
第二ゲート
工事をしていてゲートが空いていても、林道の奥へは車は入れません。
林道より時折眼下に見える金木戸川。渓相がいいです。

出合にはエメラルドグリーンの淵があり、そこの渡渉が今日の山場だと思っていました。
思っていたほど増水はしていなくてホットしたが、泳いで渡るしかない。しょっぱなから泳ぐのは嫌だったので少し下流から腰ほどの渡渉をして左岸に渡り、岩をへつって出合へ向かいました。
水量は平水より多いみたいで、ヒロタさんのブログにあったショルダーで越える小滝は、ショルダーする岩へ渡ることができないぐらい水が多くて結局右岸を巻きました。
水温は思っていたほど冷たくはなかったですが、結局その後は泳いだり、胸までつかったりと濡れることになりました。やはり私の装備だと水につかると寒いです。
最後左岸を巻いたあと広河原へ降りたち大休憩。雨は降ったり止んだりの天気でしたが14時過ぎのこの時間は薄日が時折指して、良くなる感じで気持ちも明るくなります。
最初に左岸のちょっと上がった場所にあるいいテンバは最初に二人組PTが到着していたので、もう少し上流へ進む。
すると右岸に砂地の絶好の物件を発見。3時ちょっと前であったが今晩の宿はここに決定する。
雨降りだったので湿った薪を集めるが、何とか着火に成功してそれなりに焚火を楽しむことができました。
21時過ぎに就寝。ツエルトを張ったので寒くもなく気持ちよく寝れました。
小倉谷の出合
下流より腰上程度で左岸に渡ります
渡渉後は壁際を行く。腰まで漬かります。
淵が現れる。巻くのが面倒なので泳ぎます。
必死に泳ぐマッキー
どうせ濡れたのでじゃぶじゃぶ行きますが、ザックが重い。
右をショルダーで越える小滝。増水で登り口の小岩まで渡れません。
ショルダーの滝を右岸から巻く。ピンクテープありました。最後は8mほどの懸垂
ここは左岸を巻く

広河原にでて一息
極上の物件を見つける
焚火を楽しむ

14日(金) 5:00起床—出発6:50—40mの滝10:50—二股11:40—30mの滝14:20—泊地(奥の二股)16:00
天候は好転して朝から青空が広がっている。のんびり朝もたき火をして、気持ちよく出発。
出発の準備をしていると二人PTが先に登って行った。
今日は今回のハイライト、怒涛のアトラクションが楽しめる行程の予定。
出発後しばらくは大きな岩のゴーロ―帯。それをすぎると、まずは最初のアトラクション、30mのゴルジュを泳いで突破。
ここは元気いっぱいの若手である村上君に空身でロープを付けて突撃してもらう。
難なく泳ぎ、右岸を登り灌木でビレー。ロープに村上君のザックを括り付けて引き上げてもらう。がしかし、岩場を引き上げる時にザックが引っ掛かり上手く上がらない。
しょうがないので自分がザックを背負ったまま泳ぎ、引っかかったザックを外しながら登る。
マッキーもそのままザックを背負ったまま突破。その後もそのまま右岸をトラバースして行くのだが、そこの方がノーロープだと怖かった。
ゴルジュの淵を泳いでいく村上

白井が引っ掛かったザックを外しながら登る

右岸から流れ落ちる30mの滝を過ぎると、8m斜爆。ここは前の二人PTは間違って左岸を巻こうとしていて、途中で間違いに気づいたらしく懸垂下降して降りている途中だった。
ここは大きな滝ではないが、他の人の記録を観ていてすぐに解ったので迷わず右岸をへつって回り込んだところを直上した。
ヒロタさんの記録だと”簡単なⅢ級”とあるが、確かに直上するところはスタンス、ホールド共にある。しかし、梅雨明け後のためか結構な滑りでフリーソロで登っていた自分は怖かった。実際、補助ロープで後続のマッキーを確保して登っているときに足を滑らせテンションがかかりました。
次は開けて明るい綺麗な滑床をしばらく進むと40mの滝が現れる。
ここは右岸巻き。クマザサの藪漕ぎで体力を奪われる。
二股を過ぎるとすぐに両門の滝が現れる。ここは左俣の右岸を巻き、小尾根を越えて右股へ移動。
小尾根に取り付く場所と、右股に降りる場所を上手く見つけるのがポイント。自分達は最後8mの補助ロープで少し懸垂して無事に右股へ降り立つ。
怖いへつり

開けた綺麗な滑エリア

40mの滝下で

30mの滝の上から望む

両門の滝に着きました。

右俣の右岸を笹藪の中を巻く

次は2段40mの滝。下段はノーロープで登りテラスへ。上段の滝をどうしようかと観察。水流沿いは難しそう。右岸に移って草付きの壁を登ることにする。
ここで今回初めてロープで確保してもらって登る。最初にハーケン2枚打って確保支点を構築。村上君に確保してもらって登る(Ⅲ級)。20mほどで、岩も乾いていてスタンスもあり問題なく登る。登り切ったところは草原の様な開けて気持ちい場所、しかし確保できる大きな灌木が無いので、また岩にハーケンを打ち込み支点を作る。
ロープをFixして後続が上がるのを待つ間にのんびり煙草を吸う、天気も良くて気持ちいい。
そして30mの滝が現れる。右岸の小さなガレたルンゼは悪そうだったので手前の小尾根よりあがりトラバース。滝上へ出る手前が崩れていて通過が難しのでしょうがなく木登りして少し登り、無事に滝上へ出れた。
滝上は一枚岩の広々とした気持ちいロケーション。ここで大休憩する。みんなもアトラクション満載でだいぶ疲れてきたようだ。
2段40mの滝の上段の右岸側壁に取り付く白井

40mの滝、右岸を巻く

その後は大きな滝もなく奥の二股へ。今日は二人PTを途中で追い抜いたので、上物物件のテント場を先に確保できた。
ここは開けていていい場所である。しかし西陽が差すので暑かった。テンバの周辺には大きな灌木がないのでツエルトを張るにはちょっと工夫がいりました。
明日は笠ヶ岳へ登って降りるだけなので、予備食も含めすべて食べてしまう。満腹で疲れもあって20時前には寝てしまった。
今回新しく会装備で購入したアライのツエルトを一杯に広げて、なんとか3人寝ることができました。
日当たりのいいテンバですぐに濡れたものが乾きました。

15日(土) 4:50起床—6:50出発—10:00笠ヶ岳山頂付近の祠—(クリヤ谷下山)—15:30中尾高原口の駐車場—双六ダム第一ゲートの牧原号回収後解散—帰宅
本日も出発までのんびりとしてしまう。空は曇天である。そのためか標高が昨夜から上がったのにもかかわらず全然寒くありませんでした。
出発早々テント場の目の前にある15mの滝の右岸側を登る、途中水流をまたいで左岸に移り快適に登る。
あとは大きな滝は無く、小滝のラッシュで一気に高度を上げていく。
15mの滝

15mの滝も快適に登れます

小滝ラッシュでグイグイ高度を稼ぐ

時折先行している二人PTが見え隠れする。
途中もガスがかかって笠ヶ岳のピークは一回も姿を現さず。最後はGPSだよりで頂上を目指す。
なにぶん最後の詰めはガラガラの岩場で後ろから登ってくる人に岩を落とさないようにと気をつかう。
二人PTに追いつく。こちらもだいぶ疲れているようでスピードが上がらない。
最後は自分がトップで本峰隣の祠のあるピークに出て終了。ガスガスで風もあって、じっとしていると結構寒い。
ここで沢登り装備をしまい休憩する。
クリヤ谷を下山路とするので、本峰で写真を撮るとすぐに下山開始。
最後のガレ場の詰め

山頂近くの祠近くに出るがガスで展望はない

山頂で取り敢えずパチリ

今回下山路をクリヤ谷にした理由は、笠新道が相当急であると言う事。以前より錫杖岳の岩場迄は何度も足を運んでいるクリヤ谷であったが、いつもこの先の登山道が気になっていました。あと、残雪期などヒロサコ尾根など登ることを予想して、地形の確認をしておきたかったのもあります。
いざ実際に下ってみた感想ですが「二度と無雪期にこの登山道を歩きたくない」という感想です。
特にクリヤの頭からの下山は両脇からクマザサが覆いかぶさり足元が良く見えない。何か所も倒木や斜面が崩壊するなどして荒れていました。
錫杖沢出合近くになり傾斜が緩んでくるとクマザサも少なくなり大分歩きやすくなります。
自分は暑いのでタイツを脱いで短パンで下っていたところクマザサがこすれて、両足ともかぶれてしまいもの凄いかゆみに苦しめられました。
途中での塗り薬を塗り、またタイツを履きなおす羽目に。
気温もあがり駐車場まで汗だくでくだりました。
ゴールする村上

10分後に満身創痍でゴールする牧原
降りると速攻温泉へ向かい汗を流す。ここは錫杖の岩場が見える露天風呂が売りなんですが、トレーニング不足と足に豆ができたマッキーは露天風呂まで歩くのも億劫だったみたいです。
温泉後は自分の車で双六ダムにおいてある牧原号を回収して解散。
自分と村上君は高山市内にある「七色食堂」で夕食にする。この店はお値段も、味もグッドです。お勧めします。
七色食堂の紹介サイト↓
https://retty.me/area/PRE21/ARE306/SUB30601/100001096674/

総評 2泊3日でちょうど良く楽しめる沢でした。わざわざお盆の休みを利用して登らなくてもいいかもしれな沢ですが、今回一緒に登ったまだまだ沢登りの経験が浅い二人と一緒に楽しめる難度の沢、と言う事でチョイスしました。
登ってみるとずっと私たちを飽きさせず楽しく登らしてくれました。釜ありへつりや泳ぎあり高巻ありと、とにかく沢登りの楽しさや大変さが詰まった良い沢でした。
またいつか、隣の打ち込み谷や双六谷へ行ってみたいです。
おまけ
二日目に川を跨いでかかっていた倒木に自分が一人で座って写真を撮って貰いました。
次にマッキーも来て一緒に撮ってもらおうとしたら倒木の橋が陥落。
二人して川にドボンとコントみたいでした。
倒木の橋も高い位置では無かったので、ただの笑い話で済みました(笑)
倒木の橋に座ってご機嫌な白井
マッキーも乗って一緒に撮って貰うとしたら橋が落ちた

この記事を書いた人

白井
白井
クライミング全般大好きです。
仲間と楽しいクライミングを重ねて行きたいです。
一応現在チーフリーダーをやらせてもらっています。
愛犬、愛妻、愛娘と新城市で暮らしてますが、私が愛されているかは、解りません...

 - 沢登

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