滝と釜の絶景の沢 フィナーレは湿原で癒される 釜川右俣

【清津川釜ノ川右俣】25.7.19 白井良岳
【2025年7月19~20日】
【メンバー】L.白井、河合、中田、米倉

念願の沢へ行ってきました。
以前より三つ釜の絶景を見たいと思って行きたい沢の一つでした。
結果、三つ釜は予想どうりの絶景で大満足でした。
予想外だったのは、思っていたよりこの沢は滝が多く、滝を巻くのにも意外と悪く、何度もロープを出す羽目になった事でした。
それはそれで、登りごたえのある沢で良かったのです。
メンバーも足が揃っていたこともあって、予定よりも早く行動できたと思います。

18日(金)

新城市の河合宅に集合し、6時間ほどかけて現地林道ゲート前に着。着く前のコンビニでお酒を買って、飲まない中田君に運転してもらい車の中でお酒を飲みだす白井と河合。
到着後の宴会時間をなるべく短くするための苦肉の策でした、と言っておこう…

19日(土) 5:00起床—6:00出発—6:25入渓—17:20二俣—9:50三ツ釜—13:20清水沢出会—14:30三ノ沢橋—ビバーク地15:30

5時に起床してゲート前の広場で準備をしていると、2台ほど車が上がってきて、沢登りの車かと思ったら2台ともソロでここから苗場の湿原へ行くハイカーでした。
6時に出発。ゲートから左の林道を行くと奥が行き止まりになっていて、大きな駐車場がありました。
そこに1台のパジェロが止まっていて沢装備を支度している人がいたので挨拶して、赤テープに導かれて藪を漕ぎ分け沢へ降りる。
このパジェロの沢屋さんは、今後抜きつ抜かれるするスーパーオジーさんです。
今週は愛知県はずっと天気が悪く線状降水帯が出来た日もあり、苗場山の天気と川の水量が気になっていましたが、川に降りると堰堤前で、水量は全然多くなく平水程度な感じでホッとする。


ゲート前で出発


直ぐに泳がされる


ボロイ残置スリングにすがって登ります


この滝は右から巻いた


最後は残置スリングを使って懸垂下降


荷物が重いとフリーで登るのも大変

遡行始めると巨岩帯で1泊装備には大変だ。その後は淵やら滝やらが次々に現れ巻いたり、泳いだり、人一つの難所が楽じゃない。
8mロープや30mロープ出しながら安全越えて行く。
1時間半ほどで二俣に到着。休憩後右俣へ。天気も良く気持ちよく遡行できる。
CS滝は定番どうりに右側のボロイFixロープを使って越える。
右側に広大なスラブが見えてくるとハイライトの三つ釜だ。
天気もいいしテンションも上がる。
ふと釜上をみると、最上段にスーパーオジーがいて、こちらを見下ろしている。
ここまでスーパーオジーは途中自分たちに追いつき、追い越していった。
一見なんのオーラも感じない60歳も過ぎていそうなおじいさんなのだが、荷物もコンパクトにまとめ、それなりの出で立ち。
このおじいさんソロで遡行し、ここまでの難所をソロで登って来たことを考えると凄いの一言。
最初はオジーと呼んでいた自分達ですが、今では尊敬の意を込めてスーパーオジーと呼び始める。
釜の上でスパーオジーが「お前達、ここまで来れるかな(ニヤリ)」と言ってフッと立ち去った気がした。
よーしオジー待ってろよー!っと思い三つ釜の登りは若者たちに任せ、垂らしてもらったロープにヨワヨワオジーの自分はすがるのであった・・・
実際三つ釜の右側のリッジを上がり草付きに登るのだが、意外と風化していて、怖い。
ソロで登るスパーオジーすげ~~~( ゚Д゚)
三つ釜の上では気持ちを抑えきれず、底の見えない釜にダイビング。
気持ちよすぎます。
充分遊んで出発。


雪渓がまだ残ってました


ここでちょっと河合さんが溺れかける

フリーで跨いで登ります。見た目ほど難しありませんでした。

しばらくいると8mの滝。巻くかどうするか迷う。64選のガイド本見ると「滝の左をへつって直上」とあったので
そのように中田君リードで登ってもらう。
確かに登ってみると意外とホールドはちゃんとあって登れる。
そうこうして進んでいるとスーパーオジーの背中が見えは始める。さすがに疲れてきたか。
こちとりゃバリバリ30歳の中田君が先頭でひょいひょい飛ぶように登って行くので、いっぱいいっぱいで何とか着いてく感じですよ。
スーパーオジーを抜き去り先に行く。
清水沢出会い手前の12mの滝にぶち当たる。
この滝を登ると左から清水沢が合流している。

 

三つ釜の前で


もろいリッジを登って行きます

釜がデカい!

みんな取り合えず飛び込んで遊びます

 


水流左をフリーで登ります

その後も泳いだり、へつったり巻いたりしながら登ってゆく。途中再びスーパーオジーを追い越す。
そして泊まる予定の三ツ沢橋に14時半頃到着。
あれだけロープをだしたのにもかかわらずいいペースで登って来れた。
橋の下は思いのほか平らなところは少なく、大き目な石がゴロゴロしている。そしてなんか人工物の下で寝るのも嫌だったので、もう少し上流へ行き物件を探す。
15分ほど登ったところの右岸に砂地の良さそうな物件があったので、キープしてもう少し上流へ探しに登るが無さそうだったので、降って最初に見つけた物件を今宵の宿とした。
基本砂地だったのでちょっと馴らせば何とか4人寝れそうなスペースを作る事が出来た。
中田君は食料調達に釣りに、米倉君はタープ張りを、自分と河合さんで薪を拾って火をつけた。
あとは楽しい楽しい宴会だ。中田君もイワナを3匹釣り上げご機嫌だ。
米倉君にさばき方を教えてもらい、焚火で串焼きに。
食当は自分だったので坦々麺を作った。ざるが無かったので麺をゆでた水がよく切れず、そのまま入れたらスープがちょっと薄くなってしまったのが残念。
それを見越してスープを濃い目にしておけばよかったと反省。

夜は天気も良くさほど寒くなく、気持ちよく寝れました。
夜中目が覚め、焚火が消えかけていたので付け直す。夜空が綺麗でした。


これも水流左を登ったきがする。


葉っぱを頭に付けてる米倉君 変身するの?


ジャブジャブ行きます


左のルンゼっぽい草付きを使って巻く


橋が見えてきた


焚火脇でろ過ジジィ


イワナをさばく二人


釣れたイワナを頂く中田君

夕飯は坦々麺でございます

 

 

20日 5時起床—6:10出発—6:40三段の滝7:40—8:41二段大滝—10:15小松原湿原避難小屋10:35—12:00林道—13:50ゲート前駐車場

早朝4時薄明るくなると、動く影が…クマか!
と思ったら河合さんでした。その後河合さんは焚火にあたっている。自分もほどなくして起き、コーヒーを飲みながら焚火にあたる。
野鳥のさえずりが良く聞こえ、空も青空で最高。
朝食をすませ出発。
先にスーパーオジーが登って行った。
3段25mの滝が現れる。
ここが一番の難所でした。
この滝はどう越えるかしばらく迷う。右岸から巻く感じで踏み跡らしきものあるが、出だしがつかめる草付きが無く悪い。
まあ、突破は若者のまかせるべ、と思い寒いのでカッパを出したり、煙草を探していたりしていると、米倉君が首からロープを掛けたままソロで草付きを上がってゆく。
それを見て、こりゃ良くないと思い途中の草付きでセルフをとってもらい、ロープをハーネスに付け残りのロープを下へ投げてもらう。
しかもレシーバーも持って行ってなかったのでレシーバーをロープで引き上げてもらい、中田君ビレイで再出発。
無事に上部の灌木帯まで行けたようで安心する。
ほどなくするとスパーオジーも上がって来た。見ていると滝の右側垂壁をソロでのぼろうとしている。
こんなところで落っこちたら救助するのも大変だと思い、自分たちのFixロープを使うことを勧める。
「わしは他人のロープなんか借りん!」とごねられたらどうしようかと心配したが、こちらの案を素直に聞き入れてくれてホッとする。
そのごレシーバーでやり取りした結果この草付きを登るのは大変そうなので河合さんの案で先に登った二人に滝上から左にロープをFixし直してもらい、それを登る作戦に変更することにした。
滝下でのんびり待ってるとスーパーオジーが左岸側のチムニーっぽいルンゼから登って巻いてみると言って登って行ってしまった。
さすがスーパーオジー。あちらにも残置FIXがあったようで、結局他人のロープを借りずに登っていってしまったスーパーオジー。
三段の滝上はすぐに二俣になるので、右を選択。ガイド本では左の本流を詰めあげてます。
途中スピードが上がらないスパーオジーを追い越す。
水量も少なくなった沢を登ってゆくと2段大滝が現れる。
最初の段は右から草付きをまじえ登る。
左にバンドをトラバースして2段目を登る。出だしが一番悪かった。
ここは中田君に任せロープを引っ張って登ってもらう。30mちょうどだった。
そして沢はさらに細くなり、藪漕ぎも無く登山道に合流。
小松原避難小屋まで行って沢装備を解除し休憩。
下りがちょっと長いので半袖短パンで下山。
来てみたかったいくつもの湿原を通り越しながら下山する。
湿原は天気も良く写真映えするし、風も涼しく気持ちが良かった。
1時間半ほどで林道へ。あとはひたすら林道を下山。
結局大滝登攀の時もスパーオジーは追いついて来なかったので、もう一回あった二俣の沢筋を左に登ってしまったのだろうか?
ゲート前の広場に着くと、結構車が止まっていた。
こっから小松原湿原へいくハイカーが意外と多いみたいでした。


三段の滝が見えてきた。


最上段のの滝

左の草付きを登りだす米倉君


スパーオジーは左岸のルンゼを登って行ってしまった。

ロープを水流左に張り直してもらって自分と河合さんはロープで登る


右の沢へ入ってから出てくる2段の大滝


大滝上部をリードする中田

大滝上部をFIXを使って登る白井


避難小屋に着きました

これこれ!この湿原が見たかったのです

池塘が綺麗

天気よく最高でした

清津川フレッシュパークの温泉に入る。800円
ちょっと濁っていて鉄分豊富な感じいいお湯でした。

夕ご飯は伊那インター近くの、そば処素香庵に寄ってみる。
店内が小粋なカフェテリアみたいな感じでおしゃれ。味もグッドでまた来たいと思いました。
https://maps.app.goo.gl/JYbbDTCCnwousLrU7

この記事を書いた人

クライミング全般大好きです。
仲間と楽しいクライミングを重ねて行きたいです。
一応現在チーフリーダーをやらせてもらっています。
愛犬、愛妻、愛娘と新城市で暮らしてますが、私が愛されているかは、解りません...

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