寸又峡より黒法師岳・バラ谷の頭、周回
2019/05/27
【黒法師岳】19.5.25(遠山)
【2019年5月17日~19日】
【メンバー】河合、遠山
【山行データ】
ー1日目ー
距離 :16km
行動時間:10時間19分
累積標高:(+)2,365m、(-)1,022m
ー2日目ー
距離 :22.8km
行動時間:9時間17分
累積標高:(+)1,245m、(-)2,610m
昨年GWに歩いた寸又峡起点の丸盆岳東尾根ー黒法師岳ルートで気になったバラ谷の頭。その周回コースに河合さんが参加表明してくれましたので二人で行ってきました。
17日(土)20:30河合さん宅に集合して新東名の島田金谷ICを降りて一路、寸又峡温泉へ。予定より早く23時には駐車場に到着、小宴会の後で就寝。
途中、林道に入ると大きなクマ鈴の音を響かせて自転車に乗った渓流釣り方達に追い越されます。一方、河合さんもクマ鈴はつけていますが音がほとんど鳴らずに猫の鈴音にもなっていません。
自分が先頭でザレた急登を登りますが17㎏程のザックに早速足が悲鳴を上げます。急登を200mほど登り詰めて尾根に乗り、方角を変えてからも登り続けます。
前黒法師岳に登るのは2回目ですが、やはりなかなかの急登っぷりです。
暫く登り続けてP1,700mあたりまで来ると深南部らしく樹林の中に苔が増えてきました。
ここまでは体力的には全く問題ありません。山頂に展望はありませんので直ぐに次の目的地であるヘリポートを目指します。ここから破線ルートなのですが以前に比べて赤テープがしっかりついており迷うことはありません。
ヘリポート広場に到着、ここから笹が生え出します。
緩やかなアップダウンを繰り返しながら次の目標でもある二ッ山へ進みます。
二ッ山から黒法師岳のコルに進みますがこの辺りから笹藪が深くなってきます。
正面に黒法師岳を見据えてここから深い笹藪に覆われた急登を登ります。
倒木を乗り越え、踏み跡を探しながら急登を登りますがかなりキツイ。
かなりの急斜面で笹を手で掴み、体を支えながら降りていかないとズルっと滑り落ちそうです。バラ谷の頭の手前のコルに到着、ここから左に30mほど下がった所に水場があります。
水を4~5Lほど汲んでバラ谷の頭への急登を登りますが水で重くなったザックに急登とこれまたキツイ。バラ谷の頭に到着する頃には周りはガスで覆われてきました。翌日のルートが長いので出来るだけ房子山手前まで進もうと計画していたので更に先に進みます。
笹原を40分ほど歩き予定通りP1,860mまで進んで広い笹原で15:17幕営。
柔らかな笹の上に幕営したテントでお酒を酌み交わし、天候が心配なので早朝に出発しようと17:30には就寝。
2:15に起床して2日目は河合さんを先頭に3:39出発。ここからは河合さんの本領発揮。真っ暗な中、地図を見ながら月や星や僅かに見えるシルエットを目印に笹薮を突き進みます。
少しずつ明るくなってきました。
心配していた天候ですが曇り空の中にも青空が一部見えます。
房子山を過ぎて暫くすると広い笹原から細尾根に変わります。
一部ヤセ尾根の箇所もあるので慎重に渡ります。
尾根には5、6月に見られるアカヤシオやシロヤシオがキレイに咲いています。
朝から歩き始めて3時間で三ツ谷山へ到着、今回の核心部でもある黒法師岳からの尾根ルートはここで終了です。
次は沢口山へと続くルートに尾根を乗り換えます。
山犬段に到着するとシロヤシオの説明書きがありました。
”シロヤシオは愛子さまの身の回りの品に付けるお印です。”と記載されています。自分にも花の豆知識が1つ増えました。
小さなアップダウンを繰り返しながら快調に歩きます。
板取山で河合さんが”三角点の標記方角が普通とは違う。”と写真撮影。
(自分にはわかりません、地図マニアの本領発揮)
更に小さなアップダウンを何度も超えてやっと最後の沢口山に到着。
ここから一気に標高を700mほど下げて出発地点の駐車場に到着。
寸又峡温泉で源泉かけ流しの天然温泉に浸かった後、帰路につきました。
GPSトラック
縦走スタイルで装備をしっかり持った自分たちにはなかなかハードなコースでした。笹原の稜線歩きや笹薮の急登、笹原の中での幕営など非日常を味わえるこのルートはオススメです。河合さんにもこのルートや寸又峡も気に入っていただけたようで秋には丸盆ルートでまたチャレンジしたいと思います。
ー 記 遠山 ー
【追記】
秘境の寸又峡。ここを私が訪れるのは約30年ぶり。私が20歳前半に本庄さんと二人で、寸又峡から数十キロの長い林道を走り、信濃俣の尾根を登り、光小屋まで1日で行きテント泊。翌朝、光小屋を訪れたところ、小屋の方が「あまりものだけど」と言われ、ご飯を食べさせてくれた。当時の光小屋は古く、薄暗い印象があった。また、「今までで、光小屋まで一番遠くから歩いてきた人は、北岳から24時間で来た人がいたなぁ。」と教えてくれた。私たちは「岩瀬さんだ!」と叫んだのは、言うまでもない。
翌日は本庄さんの膝が悲鳴をあげたため、聖小屋でテント泊。翌日からは、本庄さんのザックを私が持ち、空身で歩いてもらい、三伏峠でテント泊。そして、翌日に下山した思い出がある。この時の計画では北岳まで行く予定であったが、途中で断念した。今、地図を見ると林道の地図記号は無い。昔、林道があったんだなぁと想像できる白い細長い空白が地図上で、それだと偲ばれる。そんな思い出の地が深南部にはある。
初日、前黒法師岳登山口から少し登った尾根上に昭和初期に10戸の集落があったという「湯山集落跡地」を通過した。ここは、山の尾根上の中腹に存在した。水はどこから引いたのだろう?生活は?驚くほどの場所である。
前黒法師岳から黒法師岳までは一部不鮮明なところもあるが、道に迷うところは少ない。ラストの黒法師岳の登りは、藪が濃く斜面も急であった。
このコースの一番の利点は、バラ谷山の南側の尾根から5分ほど下った沢に水が勢いよく湧き出ているため、水の心配がいらない。
翌日は、暗闇の中での藪漕ぎ。久しぶりの楽しい体験であった。
今回、遠山さんの深南部の計画に食らいつき、藪あり、長い距離あり、静けさありの充実した山行をすることができた。
-記・河合-
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