鈴鹿の沢3級 ホタガ谷 

【鈴鹿 宇賀川ホタガ谷】2016.10.10(高橋)
【年月日】2016年10月10日
【メンバー】高橋、塩川

すっかり秋めいてきて皆が尻込みするなか付き合ってくれた塩川君の為に今回は取っておき、日本100名谷の一つであり鈴鹿唯一の沢3級のホタガ谷へ行ってきました。登攀要素が強い為塩川君のような強いクライマーがパートナーだと心強い。

宇賀渓駐車場に車を停め宇賀川沿いの林道を進む。朝は20℃を下回る気温&風が有り肌寒い。上下合羽を着て防寒に努める。
林道を終点まで歩き宇賀川に降り立つ。登山道は宇賀川を橋で渡るが、我々はここより上流に見えるホタガ谷出合いの滝 二階滝 目指し入渓する。橋からの短パン&パンストの山ガールの視線を感じながら出合いの滝を各々フリーで登る。左岸寄り、右岸寄りどちらでも登れる。

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のっけから両岸が立っておりなかないい感じ。出合いから距離にして100m程、ウォーミングアップも済んでいないような状態で最初の屈曲点に第一核心15m滝。
出だしが少し細かい。核心部は少し甘い感じの残地ハーケンでランニングを1本取り滝の左手のルンゼより登る。落ち口へのトラバースは高度感があり気持ちいい。(ピッチグレードⅢ級+)

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核心後も廊下が続き気を緩める暇はない。ゴルジュの中の小滝を越えて行くと第二核心2段13m滝。
下段6mは滝の左手の垂壁を登る。下部は階段状だが少し脆い。階段を登りきり少し右手に寄り残地ハーケンを頼りにホールドの細かい垂壁を登り落ち口に出る。(ピッチグレードⅣ級)

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上段滝は色々ルートが取れそうだが右岸のルンゼ状を登り落ち口へトラバースする。高度感があり気持ちがいいがトラバース中に落ちればグランドフォールしてしまうので慎重に。(ピッチグレードⅢ級)
ここまで距離にして250m程度だが1時間30分程掛かってしまった。
この先も一部はゴーロ状で単調になるが大部分は廊下が続きフリーで抜けれるがなかなか一癖も二癖もある小滝もあり楽しい。
真夏と違い積極的に釜を泳ぐことはせず廊下帯のバランシーなヘツリを楽しむ。

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最後の2俣を越えるとこの谷最大の滝分れ滝30m。中段近くまで水流沿いに登り丁度いい所にある残地ハーケンでランニングを取り左岸の垂壁を登る。落ち口上は傾斜が緩いが滑り易いので注意が必要だ。(ピッチグレードⅢ級+)

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暫く行くと石灰岩が現れ出し快適な石灰岩の滑滝でフィナーレ。登山道(廃道?or修復中?)が現れるとやがて水流がなくなり気持ちの良い笹原の中を稜線を目指して登る。

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下山は遠足尾根。上部は緩やかな笹原を歩き気持ちがいいが下部は金山尾根同様に急下降。一気に宇賀川沿いの林道まで降りる。
大滝登攀を除いては鈴鹿唯一の沢3級。噂に違わず楽しい所でした。

<感想>
鈴鹿の沢3級、確かに初級者だけで行けるような所じゃないので3級は納得出来る。また残地ハーケンが無ければ登攀ルートも解りづらく、しかもハーケンやカムをきめるリスも少ない。先人の苦労は計り知れない。
ピッチグレードはあくまで私の体感的な評価です。傾斜のキツイ所はキョン足で傾斜を殺しているのでひょっとしたらもう少し悪いのかも知れません。また随所でフリークライミングの技術も多用しました。
ただし登攀的要素が強いと聞いていたのでラバーソールの沢靴をザックに忍ばせておりましたが使用しませんでした。全てフェルト靴で登れる程度です。

今回気温が低かったので泳ぐ事は無かった。なので今回は海やプールで遊んだ後の気怠さが無く体力的には楽かな!?

<推奨装備>
スモールサイズカム数点、ハーケン、ザイル50m
今回はザイルは30mであった為分れ滝30mは中間部でビレイ点を作らざるを得なかった。

<コースタイム>
宇賀渓駐車場8:45~9:12ホタガ谷出合い~第二核心上10:45~12:00別れ滝~13:20稜線13:50~遠足尾根登山口15:10~15:30宇賀渓駐車場。

 

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