【北遠 天竜川河内(厚血)川ゴルジュ】17.7.15(高橋)
【2017年7月15日】
【メンバー】高橋、中村さ
天竜川支流河内川、その昔迫りくる敵兵を欺き谷に導き上から岩石を落として撃退したとか。その時に血の川となり7日7夜血が流れ続けたという。それ故に厚い血の川と書いて厚血(こうち)川といわれる。
佐久間市街地より県道290号線に分け入る。県道沿いに見える河内川は水量豊富。地形図を見て想像していた水量のおよそ1.5倍。それでも目立って濁りも白濁も無くこの川の通常の水量と思われる。
下平の集落の手前、龍王権現遊歩道の駐車場に駐車する。駐車スペースは3台。沢仕度をし遊歩道を下る。5分程で龍王権現の滝。龍王権現の滝は龍王淵ゴルジュF1である。
事前の情報よりもなんだか大きく見える。しかも遠目に見る分はとても悪そう。なにはともあれ取り敢えず取り付いてみよう。釜を泳いで取り付く。取り付いてみると意外と傾斜は緩い。ただ思ったよりヌメル。滝を構成する岩もしっかりしておりガツガツ行ける。水流のキワを登るがあと1歩立ち込めない。釜に飛び込み仕切り直し。(下の写真より人間2人分左を登るとホールドが豊富)
2番手中村。初の泳ぎに悪戦苦闘。もがくが激流に押し流され進めず取り付きにすら行けない。
再び高橋トライ。水流の右を登る。中間部はフットホールドが少し乏しい。あと1歩登れば傾斜は格段に落ちるがイマイチ決心出来ず。ちなみにスカイフックを掛けてみたらバチ効きの所があった。スカイフック+あぶみで中間部は突破出来そうである。ただ落ち口付近の爆流&ツルツルゾーンはどうする?後があるので無理せず巻きで。遊歩道の橋まで戻り左岸の植林帯を尾根まで登る。尾根に乗ったらナイフリッジのような痩せ尾根を下ると龍王権現の滝の落ち口に出られる。尾根の下り6mmx10mのお助け紐を掴んでゴボウで2回下る。お助け紐は直ぐに取り出せるので何かと便利である。
狭い水路を跨いで行くとF2斜瀑6m。ツルツルのスラブでホールドは少ない。おっかなびっくり足に乗り込みながらじわじわと落ち口とほぼ同じ高さまで上がる。あーでもない、こーでもないと探っていると足裏からコケで少しずつ滑る感触が伝わってくる。ツルっといった瞬間ウォータスライダーを滑り落ちる。
取り敢えずダメージは無し。ザックを置いて空荷で再トライ。スラブは足で登れ。タワシでコケを落としつつじわじわ上がる。落ち口と同じ高さまで上がりトラバースを試みる。まず左足を左に送って右足をその隣に。再び左足を左に送り右足を隣に。
さあ落ち口は直ぐそこだ!が、万事窮す。この先バランスを取るためのハンドホールドは何処にも見当たらない。しかも足を置けそうな僅かなスプーンカットも見えないし水流近くの岩はコケで滑るのでそこには置けない。さて困った。プロテクションは登り始めに取った1箇所だけ。そのプロテクションは遥か足元の下。スラブのクライムダウンはきっと途中で落ちるだろう。でもこの先見える所には手も足もホールドは無い。どうせ落ちるなら一か八かに掛けてみるのも有りか?見えない所に掛けてみよう。落ち口の激流に左足を突っ込め。激流に足をすくわれれば落ち口から本日2度目のウォータースライダーの餌食になるであろう。でもこのまま何をしないでもどうせ落ちてウォータースライダーの餌食になるだけだし。
「うぉーーーーっ」気合一発で突っ込む。気合の雄たけびはそのまま歓喜の雄たけびへと変わる。
セカンド中村。途中コケで滑ったりもしたが難なく登る。最後の水流に足を突っ込むところは少しビビッていた。
この滝はどスラブなのでゴム底の沢靴かクライミングシューズが欲しい。
またあまりクライミングが得意でないメンバーがいる時は上から引っ張り上げるのではなく、確保した上でゴボウで登って貰った方がよいかも!?
F3は5m程度の釜を持った滝。釜は意外に浅いが泳いだ後滝に取り付くところで水中にフットホールドが見つからないと苦労する。滑り易いので念のためザイルを出す。落ち口付近は特にツルツル滑る。
これで龍王淵ゴルジュはお終い。民家の脇を抜け癒し渓を行く。
暫くして突如20m直瀑。左岸が巻けそうだがなんとなく悪い。思い切って100m程戻り植林帯から大きく巻く。
滝上は機織り淵。ゴルジュだが悪場は無い。楽しい癒し渓。
ゴルジュ出口に2段15m滝。左岸巻き。
沢に降りるとたっくい淵ゴルジュ。
F1 0.5mは泳いで。ゴルジュだとたったこれだけの落ち込みでも苦労する。
F2、F3は登れそうにない。巻く為に左岸ルンゼを登る。巻きの途中でポツリポツリと雨粒落ちてきた。龍王権現、龍王淵でしっかり時間を使ってしまったためもういい時間である。しかも雨が降ってきたしこの先沢に戻ったところで…。結局ルンゼを最後まで詰め県道290号に上がる。上がったところはたっくい淵の滝見展望台(今は木が育った為滝が見れなくなってしまったらしい)の遊歩道入口付近であった。
今後の課題は龍王権現の滝の登攀とたっくい淵ゴルジュの全容解明かな。
【感想】楽しい楽しい厚血川でした。
すべての滝に圧倒されっぱなしでした。高橋さんにトップをして頂き安心して登れました。ありがとうございました。
今回登れなかった滝は次回の宿題にし、まずは泳ぎの練習をします。 (中村さ)
参考ギア 8mmx30m、ゴム底の沢靴又はクライミングシューズ、お助け紐、タワシ
あれば便利 スカイフック、アブミ
【コースタイム】6:00豊川~龍王権現遊歩道8:10~8:15龍王権現の滝9:00~(迷って何度も行ったり来たり彷徨った)~9:50龍王淵ゴルジュ11:40~堰堤~12:20 20m滝~13:05 機織り淵ゴルジュ 13:45~14:00 たっくい淵 ~14:45 県道290 ~ 15:30 龍王権現駐車場