激烈ゴルジュの池郷川 下部~中部
2018/07/10
【池郷川】17.8.13 山形
【2017年8月13日~14日】
【メンバー】L.山形、他一名
総会の後の飲み会で今年の目標として「1.池郷川の完全遡行、2.アコンカグア登頂」を挙げていた。
このゴルジュに挑戦してみたいという気持ちは一年前くらいから持ち続けていた。
今回、完全遡行とはならなかったが下部~中部を遡行することが出来て嬉しい気持ちでいっぱいです。
今夏は北岳バットレスに始まり滝谷ドーム中央稜、チンネ左稜線・中央チムニーとことごとく天候不順で
敗退していた。
うまくいかねーな、ちくしょーとやさぐれて神様不信に陥っていましたが
今夏最大目標のこの山行の期間は晴れてくれて本当に神様に感謝しました。
Thanks GOD!
8/13(土) 下部ゴルジュ帯(不動滝から取水堰堤)
前日までに下北山村公園駐車場に移動し、パートナーと小宴会。
169号に入ってからは全く24時間営業のコンビニが無いので要注意。
下北山村公園はスーパーあり、コンビニあり(※ただし22時閉店)、風呂ありと非常に充実した施設だ。
今後、支流を含めて再び池郷川に挑戦する際はここをベースとしていきたい。
テントを張る際は禁止エリアに張らないよう注意が必要。
初日は下部ゴルジュの遡行、この日で自分達のレベルが池郷に挑戦するレベルにあるのかどうか
如実に分かる。
それによって明日の山行計画は変わるだろうなと考えていた。
歩き出す前からこんなに緊張する山行は本当、久しぶり。
主体的になって自分で突破出来るか分からないレベルの山行をする前のビリビリ感たまりません。
小又谷出合付近の山道に駐車、入渓する。下北山村公園からわずか5分程度の運転で到着出来る。
程なくしてすぐにゴルジュの渓相、緊張が高まる。
F1は右岸から容易に上がれるも次の滝は早速の激しい水量。
ここは左のカンテ伝いにテラスまで上がれる。
テラスに上がるといよいよ不動滝が見える。
成瀬さん達のパーティーが直登しているがとても今の自分達には到底無理そう。
プロテクション取りづらそう、流れも激しいのでフォールしてポチャンしようものならボロ雑巾のように流されてしまう。
お互いの意見が一致して巻くことに。
しかし、巻きも悪かったです。
巻いて懸垂で降りると取水堰堤前に。
ステップは水流によって削られたのだろうか、ハングしている。
左岸ステップから攻略している記録が多いが右岸側からで問題ないです。
むしろ左岸に行く為に滝下をくぐろうとするとぶっ飛ばされてしまいます。
後で分かった事だがこの日の水量はかなり多かったらしい。
堰堤を越えてからしばらくは観光気分、水質は非常に良い。匂いもない。
続いては大きな釜がある2M滝、トポ通りに左岸から直登を試みるも流れでとてもじゃないが取り付けない。
惜しいどころじゃない、全然無理。泳ぎまくって結構疲れる。
ここらへんから気分が萎えてくる。「直登できませーん!」
ということでここも巻きだが巻きは巻きで悪い。
さて次こそはと思いエコ滝前まで来るが弱気になっていたこともあり一瞥して巻きを選択。
よくもまぁこんな所を直登するパーティーがいるもんだ。
トラバースが嫌らしかった。
最後はネジレ滝、滝直下まで行ってせめて直登ラインを見たい!
と思って必死に泳ぐが激流に跳ね返されて取り付きを見ることすら許されない。
この日は何とか登攀系の巻き巻きをしながら遡行することは出来たが滝を一つも
直登することが出来なかった。
まさに完全敗北、激落ちで池郷林道をトボトボと歩く。
「明日どうするすかねー」と作戦会議しながら歩いていたところ一台の車が追い越す。
オーラを纏った激強そうな三人組に「どこやってきたんすか?」と気さくに声をかけられ流れで一緒に宴会することに。
動画を交えて下部ゴルジュの状況を説明すると「その水量だと取り付けないのは仕方ないです」
「中部は水量に左右されないので是非やってみて下さい!」
お酒も入って調子に乗っていた我々は当初計画通りに中部ゴルジュに挑戦することに決めた。
この出会いが無ければ中部は絶対やってなかったです。
その他にもオススメの沢や結婚してもどうしたら毎週山に行けるか
について色々とご教授頂きむちゃくちゃ参考になった。
8/14(日) 中部ゴルジュ帯(吊り橋から大又谷出合)
最近、完全に雨男化していたがこの日も無事に晴れてくれた。この日も気合十分だ。
池郷林道から見えるモノレール軌道付近を下降する。
下降点はめちゃくちゃ顕著です。
約一時間程でゴルジュの入口、かっちょいいー!
最初は大きなCSを潜り抜けて左手から人工で越える。
まだ寒さは感じていないが池郷は如何せん水が冷たい冷たい。
装備に余念は無くカムを4番サイズまで2セット揃えていた。その他にはハーケン二人合わせて約10枚、ナッツもある。
今後、個人的にはもう少しマイクロカムを揃えよう。
4番を沢で使用したのは初めてだがこれがバチ効き、安心して全体重をアブミに乗せる事が出来た。
この頃から寒さでガタガタと震え出す。光は全然当たらない上に泳ぎを強いられる。
すぐさま約6Mの滝。
ラインを見るとマイクロカムが随所で効きそう。
寒さで力が入りづらいがアドレナリンが放出していたのでここも山形がリードさせてもらう。
抜け口手前にはリングがぶち切れたボルトが根本だけ残っている。
スリングを根本にかけ、人工で乗越した。
この時には前日の完全敗北とは打って変わって一つ一つの滝を登攀出来ていることに喜びを感じる。
体の芯から寒かったが心底楽しかった。
大核心手前のネジ滝までも泳がされる。
省力化の為にパートナーが先に泳いで山形は一本釣り。
いよいよ本日のハイライト!!
ここを突破すれば中部ゴルジュ終了だ。
側壁が立っている為、巻く事も出来ない、撤退も容易でない。
「やるしかねー!」
しかし寒すぎる為、珍しく光が射す場所があったので二人して20分程の甲羅干し。
震えが止まったところでまずは先ほど一本釣りにて余力を残した山形が中間テラスまで泳いで取り付く。
カムエイドでテラスに上がってパートナーを引き上げる。
上を見上げるとキレイなリスが。
これはいけるぞと安堵の気持ち。「ガンバ!」と一声かけてパートナーを送り出した。
パートナーがハーケン連打にてリードし、山形がフォローする。
前日の完全敗北、メンタルブレイク寸前もあった為、突破出来て本当に本当に嬉しかった。
安全地帯に移動して二人してテンション上がりまくり。
池郷川、来て良かった。
後は大又谷の出合い上部の堰堤まで移動して遡行終了とした。
出合いまでもなかなか楽しめた。
ヘルメット無くすのが大得意な山形は遡行終了点でまたしてもヘルメットを落とす。
落とした事には1ミリも気づきませんでした。
これまた奇跡!
前日、一緒に宴会したパーティが拾ってくれました。名前書いていて良かった!
ありがとうございます。
彼らはこの日、上部ゴルジュをやって1シーズンで池郷川の完全遡行をしていた。
今回の山行を通じて感じた事だがやはり自分のレベルで行けるだろうかーと不安になる気持ちを抱えて挑む山行、
それを成し遂げられた時の嬉しさは何事にも替え難い。
「いつかやれたらなー」ではなかなかその機会は訪れないように思う。
細心のリスク管理はもちろん必要だが一度しか無い人生、これからも目標を立てて一つずつ実践していきたい。
少々大げさでしたがそれぐらい心に刻まれた山行でした。
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