大峰山脈・芦廼瀬川

★山行名【大峰山脈・芦廼瀬川】
★年月日【2002年8月3日~4日】
★メンバー【宮尾,福地,田中】

8/3 晴れ
昨夜、天理からの道のりが長く2時頃着、林道に入ってすぐの森林公園の手前の駐車場に
テントを張る。7時起きはつらい。しかもテントに蚊が何匹か入っていたため寝起きから
すでに足が痒い。
自転車をデポするため、白谷林道まで往復し9時過ぎに七泰ダムから入渓。
最近2週間は雨がほとんどないため、川原の水は膝下程度。
焼嵓までは10m前後の滝をいくつか越えるがそれほど難所と言うことはない。ヒイラギ
大渕ではついに水泳になったのでまず泳ぎの練習を抜き身でザバザバやった後、三々五々
ザックを浮きにして対岸まで渡る。天気がいいし、水がライトグリーンで最高だ。
続いて、焼嵓の渕、廊下帯で70mぐらいか。水量が少ないので流れは弱いが深さは7~
10mはあると思う。と言っても、流れの中心ではとても泳げないので壁際の流れの緩い
ところをザックにしがみついてカエル足で進む。一度流され、また壁際にもどるとかなり
疲れた。泳ぎが河原で一区切りするが、そこから本日のクライマックス。直径15mほど
の釜だが水流が強く右岸から対岸に渡るときに流される。各自2回トライしたが、福地君
のみ2回とも対岸にたどり着く。たどり着いても、そこから足場の無い壁伝いに2~3m
体を上流に引き上げなければいけないのでつらそうだ。足場が悪いので1回目は登れなく
バックしてきたが2回目に細いクラックにエイリアンをセットしアブミでスラブ状の壁を
突破した。
後は、ロープのおかげで全員対岸まで上がることが出来た。核心のエイリアンの効きが悪
く自分が登ろうと体重をかけると外れたので、福地君の運が良かったのか?紙一重だった
のは間違いない。ともかくピンチは超え、スラブ状の壁を10mほど上がると安全地帯に
出た。
ビレイをしていると上流からカレーの匂いがしてきた。先行パーティーがもうこの先で終
了したのだろう。この釜の上の滝を抜けたのが6時10分。夕暮れが迫っていたのでテン
場探しで薄暗い中30分ほど上がって本日終了とした。場所は、トビワタリ谷と細谷の間
の河原付近と思う。今日は釜,渕が多くひたすら泳ぎだったので暑さを忘れることができ
て楽しかったが、肝心なところで力が出ず、泳ぎに必要な脚力がやっぱり弱いと思った。
核心が抜けれないと敗退の可能性もあったので福地君の奮闘・活躍は大きい(先週の小川
山の成果か?)。
ロウソクをつけて夕食だったが、虫がすごい多いのには驚いた。

8/4 晴れ
今日もスタートから泳ぎだった。
4~5回釜を泳ぐと吊り橋が見え、釣り師が現れた。ちょうどアマゴが釣れたようだが超
ミニサイズで、釣りと言うより環境破壊に近い。しかも、やっと釣れ始めたので通らんで
欲しいとか言っているが我々も遡行を止めるわけに行かない。むしろ環境破壊にストップ
をかけたほうが良い。どうせ後からパーティーも来るだろうし。
堰堤を越えてしばらく行くとモチ谷の出合い。渕らしきところはこの辺で終わりあとは河
原歩きになってしまった。右から林道の後が大きくせり出しているのでそろそろ終わりか
と思っていると前方にしっかりした橋が現れ終了を告げていた。
林道を自転車まで20分ほどで、ちょうど12時だった。じゃんけんで田中君が20km
ロードレースの選手に選ばれた。始めは自転車が乗りにくいとかぶつくさ言っていたが、
いつの間にか消えていった。
どうせ1時間程は帰ってこないと思い、濡れ物を干した後、路端にマットを敷いて残り酒
を飲む準備をし始めると1台車がやってきて乗らんか?と声をかけてくれた。
田中君に20km行ってもらう前に途中で止めて待ってもらうことも出来ると思い、お言
葉に甘えて乗せてもらうことにした。
しかし、行けども行けども追い付かず、結局入渓口に停めてある車のところで合流した。
追いかけたのは役に立たなかったがむしろ、車の中で話が出来たのが面白かった。釣り師
らしく、この辺の谷によく入っていて帰り道すがらの話し相手が欲しかったらしい。この
時期は釣れないのでかなりの経験が必要とか。いろいろ魚の名前とか仕掛けの事とか言っ
ていた。興味を持って聞かせてもらったが私は残念ながらこの方面はうとく完全に聞き役
に回った。また、黒部では(なぜか白神の話も出てきたが)面白いくらい釣れるし、アル
プスに近いのはいいなぁと言っていた。それ程いい聞き手ではなかったはずなのだが別れ
際にややさびしそうな表情をしていたのがちょっと印象的。
帰りは、十津川温泉に入り、長い長い十津川渓谷を走リ終わると今度は奈良の込み込みの
道路が待っていた。うねうねした道のドライブにはうんざりしたが奈良の車の多さにはも
っとうんざりした。飯屋も込んでいてどこもかしこもなかなか入れず、天理についたのは
9時くらい。あとは高速のようなものだが、車に乗っている時間の方が沢登りよりはるか
に疲れた。

所感:
泳ぎが多く避暑には最高の山行だった。登攀の装備不足も無く、自転車をアプローチに活
用できほぼ計画通りだった。水量が多い時期は、メンバーの力量次第だがライフジャケッ
トがある方が楽だと思う。先行パーティーは半数ぐらい付けていた。南紀は遠い。帰りは
何度も後悔したが尾鷲、鳥羽経由の方が早かったかもしれない。

<タイム> 初日:入渓9:10 百間嵓12:00 核心部16:30 突破18:0
0  終了18:40
2日目:発6:50 モチ谷出会い10:50 沢終了(東西白谷出合の橋)11:40

―記・宮尾―

各人の感想:

初めての泳ぎのある遡行は、体力的にも技術的にも大変だったが、有意義であった。特に
核心部は水流の流心を渡りきった後、ツルツルの壁をアブミを使用して越えなければなら
ず、何度もトライした後ようやく越えることが出来るというものであった。結局私は自力
で流心を越えることができず、泳力不足を露呈することになってしまった。
個人的には、ノーザイルで登れる小滝がほとんど無かったこ
とが残念であった。(田中)

沢で泳ぐのは初めてで、しかもその回数が多く、厳しくも楽しいものだった。流れに逆ら
って泳ぐのはとっても大変。特に、滝のすぐ横の所へ向かって泳ぐところは、たどり着く
だけでバテバテになった。
つかむところがないのと、足場が悪いので、気を抜くと流されてしまう。しかも、そこか
ら一段上がるまでが、岩がつるつるで、なかなか上がれない。
滝の音でよく聞こえないが、後ろでは、なんか一度戻ってこいみたいなことを言っている。
またここを泳ぐのは嫌だったので、なんとか上がってしまいたかったが、結局一回戻った。
宮尾さん、田中君に期待したが、二人とも最初の淵で、水泳して遊んでいたせいか、バテ
てしまっているようで、戻ってきてしまう。2人ともクロールとか練習してたし。
沢で泳ぎの練習する時は、ほどほどに....
覚悟を決めて再挑戦。
ちょっと流されながらもなんとかたどり着き、宮尾さんから借りたフレンズを使って、や
っと上がることができた。
土日で行くには、ちょっと遠いが、沢、天気、パーティーに恵まれとっても楽しい沢登り
でした。
(おっと!感想数行のつもりが、久々に強く印象に残った山行だったので、ついつい長く
なってしまった・・・福地)

 

この記事を書いた人

愛知県豊川市に拠点をおき、奥三河の山々をホームゲレンデに、四季のアルプスのピークハント、縦走、ロッククライミングから沢登りとオールラウンドな山登りをしています。
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