【奥三河・鰻樽沢左俣】2020.08.01(高橋ひ)
【年月日】2020年8月1日
【メンバー】高橋ひ、中村さ、中川
梅雨末期の豪雨が落ち着いてきたので久々に沢登に行って来ました。
旧佐久間町の天竜川に架かる原田橋は5年前に土砂崩れにより崩落しそれ以降は河川敷に仮設橋が施設されていた。仮設橋は佐久間ダムが放流されると危険水位に達する(水没する)ためしばしば通行止め、大幅な迂回を強いられてきた。昨年は東栄町まで来てから大幅な迂回を強いられており、今回も最近の降水量が多いので佐久間ダムの放水が気になっておりましたが…。ネットで調べると交通規制をしている気配なし、でも佐久間ダムは放水している。なんで??。3種類のナビでルート検索してみると2つは浜松廻りの迂回路、一番信頼性が低いナビのみが東栄廻りの最短ルート。どうしよう。更に調べてみると2月末に新しい原田橋が開通したという記事にヒット。東栄廻りの最短ルートで佐久間ダムに向かうことにした。
三遠南信道のトンネルが途切れる浦川から天竜川水系大千瀬川が望めるのだが清流の中で鮎釣りをしている釣り人も見られた。天竜川本流は?原田橋から眺める本流は茶色く濁り轟々と流れていた。無論河川敷の仮設道路は濁流の下になっていた。
佐久間ダムの堰堤の右岸側にある駐車場に車を停め左岸の県道(愛知)1号線を歩く。最初にあるトンネル(鰻樽トンネル)を抜けたところが入渓地点である。
沢支度を済ませ左岸から入渓する。鰻樽沢の岩質は花崗岩でいきなり5mの斜瀑を架けている。フリクションはとても良いし傾斜も緩いので簡単に登れそうだがフェルトでは微妙な感じ。少ない足掛かりを拾いながら左岸寄りを登る。その後は穏やかな渓相で2俣を左俣へ。
左俣に入るとすぐに垂直5m。少し細かいが手掛かりは豊富。間髪入れずY字状滝5m。流芯に突っ込み右岸寄りのクラックをオフウィドゥスで行けるかなって思ったが意外と狭い。左岸寄りの流芯を登る。滝に近づき過ぎると飛沫で息が出来ないので注意。後続は念のためお助け紐でビレイした。
続いて15m直瀑。簡単に登れそうだが落ち口付近が少し悪い。高さがあるので念の為後続はザイルを垂らしてビレイする。ただしランニングビレイは取れないのでトップは慎重に登らざるを得ない。
続いて25m大滝。ルートを探して見上げるがまともにランニングビレイは取れそうにないしホールドは滑りやすそうに見える。直登はさっさとあきらめる。左岸より巻けそうだが取り敢えず右岸側のルンゼを詰める。上部は土壁となっており悪そう。下手に突っ込むんでもクライムダウンは厳しそうな感じ。仕方なくあきらめ右岸より巻く。ルートを見極め小さく巻き落ち口へ。
大滝を過ぎると今までの厳しい渓相はがらっと変わり穏やかになる。えっ、まじっ、これで終わりって感じでしばらくはずーっと穏やか。支流に6段100m滝の下部が見えテンションも少し上がるが本流は相変わらず穏やか。
と思いきや突然の連瀑帯。
5mから15m程度の滝が次から次へと現れる。ほとんどが直登出来るが15m滝は落ち口付近が悪く草付きから泥臭く登った。後続はザイルで直登出来る。傾斜もきつくホールドも細かく登れそうにない10m直瀑を前にして尾根に上がる。樹林の急登を登り離山山頂へ。
下山は北東へ行かなければならないが、ついついはっきりした踏み跡をたどってしまい何故か北西に向かってしまう。往復30分程度のアルバイトを強いられる。再び山頂で仕切り直しコルより右俣へ。右俣は時折流水も現れるが殆どが伏流。唯一の10m滝は左岸のトラロープ頼りに巻き降りる。あとは歩いて入渓地点へ。
全体的に両岸ともたっておりゴルジュ地形ではあるが東面の沢であり午前中は直射日光が当たり明るい。倒木も少なく残地物も殆どなく綺麗な沢であった。また直登出来る滝が多く楽しめた。ただしランニングビレイが取れないのでトップは注意が必要である。
【記:高橋】